まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

蒼井葉留の正しい日本語2

ストーリー
ついに入学式当日を迎え、学園では変人扱いされたくない、と不安がる葉留。
日本語について語るのを抑えればいいという助言を縁からもらった葉留は、悲壮な覚悟を胸に学園へと赴く。
一方縁は、クラスで臨席になったオタク嫌いの美少女・櫛貴六花と早速対立してしまい……。



日本語と辞書をこよなく愛する少女が学園のちょっとした謎を紐解くミステリー風味日本語コメディ、第2弾。
ついに始まった学園編! 新キャラが何人も登場してきて、一気ににぎやかになりました。中でも新ヒロイン・六花は、葉留とはまた別方面の可愛さがあって魅力的でしたね。
六花をめぐる問題は、謎解きこそわりと簡単なものでしたが、縁の行動力と葉留の発想力に引っ張られてみんなでドタバタと奔走すること、それ自体がとても楽しそうでよかったです(といっても、問題はいたって真面目なものなんですが)。


葉留が可愛い。葉留がとっても可愛い。前巻のときも何度も書いた気がしますけど、葉留がたいへんに可愛いのです!
いつもぽえぽえとしていて、特に日本語について思いを馳せているときはひとりだけどこか違う世界にいるようで、でもそれが本当に楽しそうで、見ているこちらまでなんか嬉しくなってきちゃうんですよね。
そんな葉留でも、入学式を控えてクラスで浮いてしまわないか、友達がちゃんと作れるか、と人並みの不安を抱えていて、ちょっと意外に思いつつもそのそこがまた可愛くって……。いや、もう葉留なら何をしても可愛いんですなこれが。参っちゃうね。
いくら敵認定しているとはいえ、縁はよくもこんなに可愛らしい女の子に意地悪ができるものです。いや、からかいたくなるのも分かりますけど、私なら宝物みたいに大事にしちゃいます。


入学初日から隣席の美少女・六花と火花を散らす縁。海外生活が長いせいか、縁は結構プライドが高くって、我の強いやつですからねえ。それが良い方に出ることも多いんですが、その逆もまた然りで。
それにしても、縁の推理がことごとく外れるのは、どうにかならんものですかね! いやまあ間違うのはいいにしてもですね、勝手に勘違いしたまま葉留に確認もしないで、思い込んだ通りに突っ走っちゃうのが、なんともアホというか哀れというかですね……。だいぶ、周囲の人にも迷惑がかかっているような気がします。ちょっと落ち着け。


六花の悩みを知り、誤解が解けてみんなで協力するようになって、どんどん六花の可愛いところが見えてきてよかったです。特に“本気の”葉留とのやりとりは楽しかったですね。やはり葉留こそが作中最強キャラなのか……!
事件は色々ともやっとするところもある結末でしたが、六花が少しでも前向きに頑張れるようになったのなら、よかったと思います。
さて、あとがきによれば、「続きが出せるかはこの巻の売り上げ次第」とのこと……。ああ、なんということだ! この作品がこんなところで終わっていいはずがありません!
縁と葉留の今後とか、葉留の過去とか、寮生のメンバーの話とか、まだまだ読み足りないのです。続きが出てくれることを祈って、首を長くして待つことにいたします。


がんもどき食べたい。