まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

聖剣の姫と神盟騎士団Ⅱ

ストーリー
ダークとフィーネによる“二代目”聖剣団の活躍で、つかの間の平和を取り戻したラグナの谷。
しかし、水面下ではカーラーン軍の新たな刺客が谷に潜入し、密かに活動を開始していた。
時を同じくして、初代聖剣団メンバーの<竜殺し>ラッセルが谷に戻るという知らせが入るのだが……。



<魔人形遣い>ゲルウィンを引っ張り戻し、次の標的は<竜殺し>ラッセル。
1巻は導入ということもあってバトル少なめでしたが、今回はカーラーンとの本格的な戦いもあって良かったです。やっぱりファンタジーなら剣を交わして思いっきりぶつかり合ってもらいたいですからね!
もちろん主人公たるダーク本人は(直接は)戦わないわけですけど、まあ彼には彼なりの戦い方があるということでひとつ。


ダークさんは相変わらずの小物っぷり。カーラーン時代の上司ハスターさんに脅され、またも裏切るや否やのコウモリ状態に。
しかしなぜなんでしょうね、にくめない。こうもまっすぐに残念なところを見せられると、苦笑はしても嫌いにはなれません。これが人間味っていうやつなのでしょうか。
まあ彼のような勇者でもなんでもない者にとっては、きっと当然の態度なのでしょう。フィーネの英雄らしさとバランスが取れてちょうどいいんじゃないですか。
そんなダークも、たまには普段の彼らしからぬ本音を垣間見せてくれるもの。フィーネとの口論のくだりには、少しずつ変わりつつある彼の気持ちが表れていたように思います。嫌々ながらの生活を通じて、ダークの中にもちょっとは谷への思いが芽生えてきたのかもしれません。
それにしてもフィーネはちょろい娘ですね! あまりに純粋すぎてダークもたじたじにさせてしまう彼女こそ、実は最強なのでは。


ラッセルへの計略と、ハスターたちへの計略。相手を油断させて誰も彼もを騙してみせるダークの詐欺師っぷりが気持ちいい。確かにちょっと卑怯な手ではあったかもしれませんけど、予想していたよりはわりと正面から戦っていたと思うんですよね。ダーク自身もそれなりに危険だったことは確かだし。
バトルの方ではフィーネのターン。ラッセルやドレームの戦いも迫力がありましたけど、やっぱりおいしいところはフィーネに持って行ってもらいたいですね。今回も格好良かったです。
さて、戦力が戻っているのかどうか怪しいところではありますが、とにもかくにもこれで二人目。
予告によれば次はスィー王女の出番とのこと。個人的にかなり気になっているキャラです。
ダークとフィーネの関係に進展があるかどうかというあたりにも注目しつつ、楽しみに待ちたいと思います。


カラー口絵最終ページのちょっとした変化にニヤニヤ。