まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

魔法少女育成計画 restart(前)

魔法少女育成計画 restart (前) (このライトノベルがすごい! 文庫)

魔法少女育成計画 restart (前) (このライトノベルがすごい! 文庫)

ストーリー
「魔法の国」から力を与えられ、日々人助けに勤しむ魔法少女たち。
そんな彼女たちに、見知らぬ差出人から『魔法少女育成計画』という名前のゲームへの招待状が届いた。
理不尽なゲームに囚われた十六人の魔法少女は、自分が生き残るために策を巡らせ始める……。



前作からキャラクターを一新しての別シリーズとなりました。
前後編ということもあり、16人もの魔法少女が参戦。
最初こそ誰が誰だか覚えきれなくて混乱しますが、次第にどんどんキャラが立ってきて、気にせず進められるようになっていく読みやすさはさすがです。
現実世界が舞台だった前作とは異なり、今回は本当にゲーム内での物語となっています。
ゲーム世界ならではのアイテムやパーティ形成、モンスター討伐などのイベントが加わって、新しい楽しさがありますね。
もちろん、メインの内容は魔法少女同士の、殺伐とした、そして命を賭けた、騙し合いやバトルにあるわけですが、その内容も陰謀とかトリックといった謎解き要素が加えられており、前とはまた違った面白さを提供しようというサービス精神がうかがえます。


16人が大きく4つのパーティ+ソロ1人に分かれ、それぞれのパーティで行動。
パーティ内はもちろん、パーティ間の関係もあるので、キャラ同士のより複雑なやりとりが楽しめました。
個人的に好きなのはプフレとシャドウゲールですね。戦闘力はないけれど、頭脳で他を圧倒するお嬢様・プフレと、自分勝手なプフレに微妙な思いを抱きつつも従者として付き従うシャドウゲールの、デコボコなようでコンビネーションの取れた活躍ぶりが良かったです。
願わくは最後まで生き残ってもらいたいものですが……。どうも嫌な予感が漂っているのは気のせいでしょうか。
あ、マジカルデイジーも応援していたのですけれどね。応援、していたのですけれどね。


まだ正面切っての戦いにまではほとんど発展していないけれど、後半は「もっと派手」ということで、魔法少女vs魔法少女のバトルがまた見られるのかな。
魔法少女ごとに与えられた魔法がどんな風にバトルに影響してくるのか、まるで使い方が分からないような魔法もあるだけにわくわくします。
本当の命の奪い合いになるということを考えるとどうしても嫌悪感が先に立ちますが、その悪趣味さも含めて、ドロドロした展開を楽しみたいですね。
それから、断章でちょこちょこと顔を出しているあの人がどんな風にストーリーに関わってくるのかも気になるところ。
色んな角度から予想を裏切ってくれることを期待しつつ、次巻もすぐに読もうと思います。


魔法少女一覧を見てひと目、アカネが隠れ主人公だとばかり……。