まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

女子モテな妹と受難な俺(4)

女子モテな妹と受難な俺 4 (ガガガ文庫)

女子モテな妹と受難な俺 4 (ガガガ文庫)

ストーリー
夏休み、比叡と高野と共に四国八十八箇所めぐりの旅をしようと計画を立てる明日太。
ところがふたりは彼女と大阪へ行ってしまい、なぜか代わりに今日子とその取り巻きがついて来ることに。
電車に乗り遅れるなどの波乱はありつつも、なんとか目的地の愛媛県今治へと近づく一同だったが……。



ああ旅行したい! 青春18きっぷで旅行したい! 美少女4人引き連れて電車の旅に出たい! そんな1冊でした。
夏緑先生の作品に雑学や豆知識はつきものだけれど、青春18きっぷについては普通に勉強になりますね。
駅弁を食べたり途中下車したりと本当に楽しそうで、読んでいるこちらまでわくわくしてきます。在来線での旅行もいいものだなあ。
すっかり旅の気分になってしまった。行くか。あとは一緒に行ってくれる美少女がいれば完璧なんだけど、いませんか。そうですか。
やめとくか。


旅行の目的が四国八十八箇所のお遍路だというのだから、毎度ながらこの主人公、他とは一線を画す特殊さである。
明日太は大真面目に行こうとしているけれど、比叡と高野は一体どうしちゃったんでしょう。すっかりリア充と化してしまっているのだが大丈夫か。ふたりだけで盛り上がっているところに入れず、ますますぼっちが加速しつつある明日太が不憫でなりません。
もちろん、明日太も傍目から見れば十分すぎるほどにリア充なんですけどね。自分で気付いていないのだから仕方ないのですが。
しかし女の子の気持ちにいくら疎かろうと、生粋の美少女4人の中に男1人という状況で泊まりがけの旅行に出て、嬉しくないわけがありません。
いくらその女の子4人の内訳が、妹と、妹に惚れている百合娘3人だとしてもです! 改めて文字にすると異常な状況だなこれ!
いやあ、今日子はもちろん、凛世も小麦も、あと一応緋影も、単体でならとても可愛らしいんですよ。ただ、全員揃った状態で連れ歩くと精神的に疲れそうなだけで。
何も知らぬは今日子だけという状況が改めて怖すぎる。確かにこの3人に囲まれた状態で今日子からベタベタされたくはないですよね……。
見ている分には面白いけれど一緒にいたくはない凛世と小麦の冷戦。そのふたりの脇で虎視眈々と隙を伺う緋影。なんて面倒なんだ。
凛世あたりは、明日太への感情もいいところまで来ていると思うんですけどねえ。なかなか先へ進んでくれなくて、やきもきさせられます。


新キャラとして従妹のみかんちゃんが登場しました。結局お話を引っかき回すだけの要員だったようにも思えますが。
それにしても、ほんと今日子は罪な女ですね。老若男女にモテなければ気が済まないのでしょうか。
一番大事なのは今日子の気持ちがどこにあるかということなんですけど、実は、彼女自身の恋愛については全くといっていいほど描かれていないんですよね。
現状ではブラコンまっしぐらということでいいような気もしますけれども、これは恋愛に発展するのかなあ。微妙なところです。
今日子と明日太の過去の秘密がようやく明かされ、今日子のブラコンの原因が分かったことで、今度は明日太の気持ちの方に変化が現れそうな予感がします。
明日太が素直になるのが先か、今日子が本気になるのが先か、はたまた凛世がデレるのが先か。
交錯する恋愛関係の今後がますます楽しみでなりません。


緋影さんは意外にツッコミのセンスがあるな……。