まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

この中に1人、妹がいる!6

この中に1人、妹がいる!6 (MF文庫J)

この中に1人、妹がいる!6 (MF文庫J)

ストーリー
夏休みが終わり心機一転した将悟は、心乃枝に告白しようと決心する。
しかし、文化祭準備委員の心乃枝は近づく文化祭に向けて忙しく、なかなか告白のタイミングがつかめずにいた。
文化祭で「告白イベント」が開催されることを知った将悟は、思い切って参加してみることにするが……。



心乃枝回……に見せかけた柚璃奈回でした。表紙は柚璃奈ですから、なんとなくそんな気はしていましたけど。
とりあえず見て分かる通り、表紙絵は非常にエロい。見えそうで見えないスカートの加減が絶妙。その部分が帯で隠されているのがまた良い。
いやあ、これは釣られるわ。柚璃奈さんにこんな風に迫られて、思わず視線を下の方に動かしてしまったところ、冷ややかな目で見下されつつ「なに本気になっちゃってるのこの変態」とか罵られる。そんな主人公に私はなりたい。


優柔不断男、一念発起す!
ということで、あれだけ女の子を侍らせておきながら全く手を出せずにいたドヘタレ社長様がようやく動き出しました。
告白するかどうかでは迷いつつも、誰にするかではそれほど迷っている様子を見せなかったので、意外と初めから心乃枝に一途だったのかもしれません。
唯一心乃枝に対抗できるとすれば雅だったんですけどね。まあ、撤退も仕方がないですよね。
多分、将悟は心乃枝と雅の間で揺れ動いていたのでしょう。雅が諦めたことが、将悟の決断を大きく後押ししたのだろうと思います。雅の想いを考えるとなんとも皮肉なものですが。
心乃枝もいい娘だけれど、雅には本当に幸せになってもらいたいんですよねえ。今回も自分の気持ちを押し殺して、親身になって将悟を応援していて、本当に健気でした。
将悟たちとしては、もうすっかり決まったことのようになっているようですけど、誰が将悟の妹なのか、実はまだ確定したわけではないんですよね。
ということは、まだ雅にもチャンスは残っているということなのですよ! 大逆転に期待したいところですね。
そうなると、一応3・4・5巻でヒロイン役を果たした凛香、芽衣、会長はどうなるのということになりますが……。将悟の様子を見る限り、彼女たちが日の目を見ることはなさそう。なまじ一度持ち上げられただけに、この扱いはある意味不憫。


そんな可哀想な女の子たちを華麗にスルーして、圧倒的なヒロイン力を見せつけてくれた柚璃奈様。年下から命令されるのって凄くゾクゾクするよね。
ここにきて色気まで使ってきたものだから手に負えません。この放っておけない危うさにたまらなくそそられるものを感じる。
柚璃奈は結局、最初から最後まで一人相撲をして、混乱の挙句に自爆してしまった感じだけれど、長い戦いから一歩抜けだして先へ進めたのは良かったと思います。
これでもう、思う存分将悟をいたぶれますね! ああ、柚璃奈様にチェックメイトかけられたい。


柚璃奈の過去を通して、また新たな人物の影が見え隠れし始めました。
今度こそ「妹」の真実が明らかになるのでしょうか。失われた将悟の記憶がこれからどうなるかにかかっています。
大きな進展があったようで、それほどでもなかった恋愛方面。特に心乃枝の動向には注目していきたいですね。


心乃枝さんは意外と恋愛の機微に敏感だったようで。おみそれしました。