まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

生徒会探偵キリカ2

生徒会探偵キリカ2 (講談社ラノベ文庫)

生徒会探偵キリカ2 (講談社ラノベ文庫)

ストーリー
庶務から昇進し、生徒会書記に就任することとなったひかげ。
しかし正式な書記になるためには、中央議長の朱鷺子に承認してもらう必要があるのだった。
前任の書記のことが気になったひかげは、美園に詳しく聞こうとするのだが……。



キリカが可愛い。もうこれだけ書けば十分すぎるほど十分な気もする。
いや、他の部分がどうでもいいというわけではなくてですね。キリカの可愛さだけで戦っていけるくらいに、この寡黙系天才会計/探偵さんは魅力的なのですよ。
今回は大きく3つに分けられる内容でした。正確には2本の短編と1本の小編という具合ですか。短編集と呼べるほどきっちり分かれているわけでもないのですが。
確か1巻もこんな感じの作りでしたね。物語の流れもありながら適度に軽く、さらりと読める構成だと思います。


ひとつめのお話で、これからもレギュラーになりそうな新キャラが登場。
前書記の柏原さんと、なぜかひかげに懐く後輩の薫。どちらも個性溢れる楽しいキャラクターです。
詳しく書くと一発でネタバレラインを踏み越えそうなのでぼかしますが、とりあえず薫は見ていて微笑ましい。
ひかげについて回る姿には、ちょこちょことした子犬のような愛らしさがありますね。素直でいい子なので、ひかげの詐欺師っぷりを真似などせずにこのまままっすぐ育っていただきたいところ。
薫は、当人が魅力的なだけでなく、他のキャラの魅力を引き出す役としてもよく働いていると思います。
薫の言動を通して、姉である朱鷺子さんがひかげのことをどんな風に思っているのかが垣間見えてニヤニヤしたり。
ライバル(?)として薫が出てきたために、焦ってひかげの所有権を主張しだしてしまうキリカを眺めてニヤニヤしたり。
いやもう、繰り返しになりますけどほんとキリカ可愛いです。素直に言えないから、ひかげと名前が同じウサギにかこつけて……というところがたまりません。このウサギはいい仕事してるよなあ。ただのマスコットじゃなかったんだなあ。


もはや学校中に詐欺師として広まってしまっている感のあるひかげさん。
探偵と詐欺師って何それ最強のコンビじゃないの、と思いきや、軽々とその上を行くラスボスがすぐ近くに。
それは朱鷺子さんでも郁乃でもなく、生徒会長・天王寺狐徹その人。彼女はなんですか。預言者か何かなんでしょうか。この学園の全ての秘密の裏に会長の影があるような気がしてきました。
今のところは心強い味方。ですが、朱鷺子さんとのこともあるし、いつ敵になるか分かったものではありません。
まぎれもなく無敵の彼女を前に、キリカはいつか、勝つことができるのでしょうか。攻略の鍵はきっとひかげが握っている、予感。


今回明らかになった、会長と朱鷺子さん、そこに美園先輩を加えた3人の微妙な関係がとても好きです。
特に、これだけ会長に踊らされながらも、果敢にかつての盟友に立ち向かっている朱鷺子さんは改めて格好良く見えました。
未だ会長の思惑は謎のままですが、小さい引きこもりの探偵さんが、いつかその胸の内を解き明かしてくれるのだろうと期待しています。
もちろん、ひかげとのイチャイチャも楽しみにしてますよ! ひかげは一刻も早くウサギ越しのメッセージに気付くべき!


美園先輩のひかげいじりは作中で一番好きなやりとりといっても過言ではないのですが、どうやったら日常的にセクハラしてくる美人の先輩に出逢えますか。やっぱり詐欺のスキルが必要ですか。