まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

黒のストライカ4

黒のストライカ4 (MF文庫J)

黒のストライカ4 (MF文庫J)

ストーリー
白の血族の脅威に晒されながらも、しはるや異能の少女たちといつもの日常を送る椋郎。
そんな折、仇敵・ジークリードとタヤチナが、臨時講師と転校生として学校にやってくる。
対応に迫られる椋郎だったが、さらに、しはるが突然病に倒れてしまい……。



いやあ、面白くなってきました。物語の流れが本格的に変わって、それにつれてキャラ達もそれぞれに活躍しています。
敵味方問わず、今まであまり動きを見せなかったキャラも動き出してきて、とても楽しいです。


それにしてもしはるさんは凄い。
これだけ個性的な面々に囲まれていて、しかも本人は異能のことについて全く知らないという、周りとの絶対的な差があるにも関わらず、今回の彼女は確実にメインヒロインでした。
血も吸わないし、狼に変身もしないし、剣も抜かないしはるさんは、正直言ってヒロインズの中でも地味な方です。
でも、今回のような状況に陥って改めて分かるのだけれど、異能を持ったみんなからも本当に大切に想われている。そしてそれが自然に思える。
ただの人間(ですよね?)で、表に分かりやすく表れる特徴はそんなにないかもしれませんが、その無垢な心とかまっすぐな優しさとかはやっぱり特別で、このお話になくてはならないものだと感じます。


大きく株を上げたのは蝦夷井ですね。いまいち立ち位置がよく分からないキャラでしたが、やっとはっきりしてきました。
ヒロインとしてはどうかと思うような部分もありますけど、椋郎とのやりとりに、他とはまた別のものを感じることもまた事実。
大目天として椋郎を監視して、ときどきからかうようにちょっかいをかけるだけの関係だと思っていたけれど、実は蝦夷井自身、意外なほど椋郎を支えに感じていたのかもしれません。
気になるキャラナンバーワンを初めからずっと走り続けているタヤチナ。
今回もそれほど出番があったとは言えませんが、今までに比べれば格段に増えました。
てっきり敵に回ってしまったものと思いきや、さりげなく椋郎にヒントをくれるなど、椋郎に味方するようなところも見せていて、なかなか真意をつかませてくれません。
ヒロインとしてはかなり好みですので、ぜひ何か進展があってほしいものですが。これからに期待ですか。
我らが蔵島さんはいつも通りのエロ&バイオレンスでした! 全くもって素晴らしい。
椋郎の夜魔の本性も次第に本気を出してきたらしく、各ヒロインとサービスシーンを繰り広げているのですが、その中でもやっぱり蔵島さんは特殊というか、圧倒的というか、突き抜けちゃってるというか。
彼女はいつまでもそのままでいてもらいたいものです。報われることは、まあ、あんまりなさそうですけれども……。


ひとまずひとつの危機をくぐり抜けて、さらに大きな危機へと飛び込もうとしている椋郎たち。
守るために捨てるという大きな選択をしてしまったわけですが、椋郎は愛する日常へと戻ってくることができるのでしょうか。
白の血族、そして大目天との関係は。タヤチナの目的は。ああ、気になることだらけ。次巻が待ち遠しい。


ピンナップにまで描かれているのに出てきたと思ったらあっという間に退場していったソーニャさんの謎。