まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

丘ルトロジック3 女郎花萩のオラトリオ

  • ストーリー

オアシスの路地裏で無数の男たちに追われる美少女に鉢合わせした咲丘と萩先輩。
その少女・玲儀音にはめられ、咲丘たちも彼女を追う柏木連合から共に逃げなければならない状況に。
ところがこんな時に、代表と出島は怪しげな沈丁花家の親族会議で不在なのだった……。


いつものように狂った奴らの狂った叫びが響き渡っている第3弾。
沈丁花と出島がおらず、(実に残念なことに)江西陀もいない中、萩先輩がここぞとばかりに大活躍を見せてくれました。
オカルトホラーな部分はどちらかといえば少なめで、その分アクションが豊富だったような気がします。
とりあえずカラーピンナップの江西陀に数分間見惚れました。目付きが最高にエロい。


今まであまりよく見てませんでしたけど、萩先輩も面白いキャラですね。
いやまあこの作品の場合、キャラがみんな、あまり良くない意味で面白すぎるのが問題なんですけれども。
でもいいですよね、発明家少女。作ってるのが煙爆弾だの音爆弾だのスタン銃だのっていうところが一般的な発明家と一線を画してますけど。
一歩間違えれば爆弾魔……ああ、実際にテロを起こしてるんでしたね。これだから丘研ってやつは!
見た目が可愛らしいだけにある意味一番たちが悪いかもしれません。
この小さい体で、大の大人たちを文字通り(爆)煙に巻いていく萩先輩はなかなかに格好良かったです。
丘研唯一の良心と言われるだけあって、その純粋な優しさも魅力大ですよね。
得体のしれない玲儀音を素直に信用することができるのは彼女だけでした。このまっすぐさは失われてはならないものだと思います。ひねくれ者ばかりのこの作品では特に。
玲儀音は魅力たっぷりのキャラですねえ。ツンツンした毒舌お嬢様は大好きですよ。
抱えた秘密はオカルト的においしいし、何より考え方に人間味があって好感が持てます。
人間やめたようなキャラばかり見ていると正直疲れてくるんですね。主に咲丘のせいなんですけど。玲儀音みたいにそれほど壊れていないキャラが出てくるとほっとします。
もうひとり、活躍していたのが蜂須マゾ大先生。オアシスでの蜂須がこれほど頼りになるとは。流石先生、ただのマゾじゃないですね。
ここぞというところで驚くほど格好良くて、なんか悔しいです。蜂須のくせに。
咲丘との漫才めいたやりとりは相変わらずの楽しさでした。萩先輩や沈丁花との因縁が気になりますね。


もう半分諦めているのですが、登場人物たちの叫びにはどうも乗り切れない。
理解しようとしたら負けなのかな、とも思っています。何も理解できないままに圧倒されればそれでいいんじゃないかと。
そんな読み方でも、事件の最後にあの人が登場したときはやっぱりゾクゾクしてしまいました。
キャラとしては全然好きになれないけれど、出てくるだけで全てが解決したように感じられるのは凄いよなあ。
でもやっぱり好きではないので、終章では玲儀音を全力で応援しましたけど。
このふたりの間柄も謎ですね。玲儀音はこの先も出てきてくれるのでしょう。楽しみです。


最後の最後で全てを持って行く江西陀がずるい。イラスト込みであまりにずるい。江西陀こそ最強ッ!