まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

メイジオブリージュ

ストーリー
メイジを養成する魔法大学に通う、混沌濃度を高めることしか特技のないおちこぼれの少年・ビンス。
そんな彼にある日突然声をかけてきたのは、優等生の美少女・マルティナだった。
彼女から魔法実技試験のパートナーになってくれと誘われて困惑するビンスだったが……。



MFと富士見の合同企画<グランクレスト>。今度の舞台は魔法都市エーラム。
混沌濃度を高める才能を持った主人公と、混沌のアレンジを得意とする優等生の少女、そして謎めいた引きこもりの(でも優等生の)少女。
3人のメイジの学生たちが、混沌をめぐる戦いに巻き込まれていくバトルファンタジーです。


あとがきで作者が述べているようにダブルヒロインものとなっています。
マルティナとメノウ、同じ魔法大学の優等生でありながら性格も得意分野も異なるふたりのヒロイン。
そんな彼女たちは、おちこぼれの主人公ビンスとの出会いをきっかけに友情を育んでいきます。
私はてっきり、マルティナとメノウがビンスを取り合ってバトルするような展開になるのかと思っていたのですが、別にそのようなこともなく、いつの間にか3人で一緒にいるようになっていました。
ビンスとマルティナ、ビンスとメノウのコンビよりも、むしろマルティナとメノウの組み合わせにほっこりしましたね。女の子同士の友情っていいですよね。


それぞれ重大な秘密を抱えていたビンスとメノウ。
穏やかに自分の夢を追いかけていきたいのに、その秘密が、アカデミーが、彼らの邪魔をしてきます。
何もかも上手くいくわけではありません。今後もいくつもの問題が現れてくることだろうと思います。でも彼らはひとりではありません。
そのときビンスが、メノウが、そしてマルティナが。3人力を合わせて、どのように危機を乗り越えてゆくことになるのか。終わり方が終わり方だっただけに、続きが楽しみです。


イラストは硯さん。マルティナの八重歯が可愛い。
あとプロント先生の目つきが良かったです。ゾクッと来ますね。


いや、何度目だってどきどきするでしょ。

強くないままニューゲーム2 Stage2 アリッサのマジカルアドベンチャー

ストーリー
延々と繰り返される『ゲームオーバー』を経て、ついに巨大怪獣を倒した藤と敷島。
しかし次の瞬間、「セーブしました」というメッセージと、謎の「スキル獲得」イベントが発生した。
説明された通りにスキルを選び、新たな敵を待ち受ける藤だったが……。



1巻での敵「巨大怪獣」の撃破方法により、ふたつのルートへと分岐したストーリー。
前半は藤がスキルを得る『ラットマン』ルート、後半は敷島がスキルを得る『ねずみおとこ』ルート。
似ているようで全く異なる敵を相手に、これまた全く異なるアプローチで立ち向かう藤くんと敷島の戦いがとても興味深かったです。
それにしても前半と後半で雰囲気が違いすぎる……。どうしてこうも悲劇度が違うのか。どちらにしろ犠牲者は出ているのだけれど。


『ラットマン』ルートはいわば、藤くんヒーロールートです。
舞台は藤くんが搬送された病院。敵はうっじゃうじゃと湧いてくるネズミたち。
たくさんある「スキル」から10個を選んだ藤くんは、怪獣のときと同じように機転を利かせて大立ち回り。うん、かっこいい。まあ結局は何度も死にながらなんですけれども。
ポイントは藤くんのお見舞いに来ていた母親を守りながら、ということで、少しでも被害を小さくしつつクリアする方向を探そうとする藤くんの主人公らしさが際立ったエピソードになりました。
藤くんが格好良いと敷島も可愛くていいですね! こんな釣りなら毎日でもやりたいです。嘘だけど。


『ねずみおとこ』ルートは、ヒーローになりそこねた藤くんルート。
舞台は前回に引き続き学校。敵は何もかもを溶かしてしまう赤い雨を降らす巨大ネズミ。
たくさんある「スキル」から10個を選んだ敷島は……。いやはやとんでもないねこの子はね! 前半の可愛らしい女子高生と同一人物とは到底思えませんよ!
間違いなく藤くんよりも頭が回るし、ゲームプレイヤーとしては優秀なんでしょうけど、致命的な何かが足りていません。
前半ルートの敷島も、一歩間違えればこんな子になってしまうのでしょうか。怖いです。藤くんにはぜひとも頑張ってもらいたいところ。


さて、結局ルート分岐したままさらに続いてしまったわけですが、この悪趣味なゲームはいつまで続くんでしょうね。
ふたつの分岐はこのままそれぞれの最終回を迎えるのでしょうか。それともどこかで合流したり、どちらかが消えたりするのでしょうか。
ああ、続きが気になって仕方ない。早く次巻が読みたいです。


簀巻きちゃんと宇宙飛行士さん何やってるんですか。