まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

コロシアムII

ストーリー
月島伊央たち生き残ったプレイヤーの帰還によって、デスゲーム「コロシアム」は新たな局面へ。
学校全体を巻き込んだ、参加者1000人の生き残りゲームへと姿を変える。
傍観者から一転してプレイヤーの立場となった学校側の生徒たちは大混乱に陥り……。



普通の高校生が銃を撃ち合い、生き残るために戦う狂気のデスゲームは、プレイヤーを生徒全員に広げて再スタート。
閉鎖空間での1巻のゲームとは、また全然違った読み口で面白かったです。
こっちに戻ってきた途端に銃をぶっ放す何人かのプレイヤーの皆さん、なかなかクレイジーでいいですね……。


「コロシアム」のフィールドからプレイヤーが帰ってきたことで、今度は学校全体がコロシアムに。
これまではあくまで支援者・傍観者でしかなかった生徒たちが、自身の命が懸かった途端に本気で焦りだしていて、なんとも滑稽です。まあ、そういうものですよね。
それでもさすがに、最初は多少話し合いの場が持たれるかと思っていたのですが、帰ってきたプレイヤーの一部がいきなり銃をぶっ放しだしたせいで、一気にそれどころではない状況に。
いやはや、伊奈川玲菓といい前園マナといい、結構な壊れ具合ですね……。特にマナの、見た目からは想像もつかない殺戮っぷりは、不覚にもカッコいいと思えてしまいました。


クラス単位で生き残る「ラストナンバー」か、各クラスから1人ずつ集めて生き残る「セレクション」か。
最大でも30人しか生き残ることができないシビアすぎるルールの中、勢力がいくつも生まれました。
積極的にセレクションを狙っていく銃持ちプレイヤー主体の一大グループ。逆に武力を完全放棄して話し合いを訴えるグループ。自分のクラスのプレイヤーと共にラストナンバーを目指すいくつかのクラス。
銃を持ったプレイヤーを集めたり、ほとんどが殺されてしまったクラスの生き残りを手に入れようとしたり、グループの訴えを届けるために学校のカリスマを確保したり。まるで人間がアイテムのようです。
誰を取るか、そしてどの建物を取るか。戦略が一気に広がって、1巻のときよりもさらに面白いゲームが繰り広げられましたね。もちろん、残虐性もずいぶん上がりましたけど……。
傷つきながらもギリギリのところを逃げのびている萩原と鳴美、そして羽留奈。しかしこのゲームでは、1年7組とチェス研とが同時に生き残ることはできません。
伊央と合流できるかどうかが萩原のポイントになってきそうですが……。どの勢力が勝ち残るのか、気になって仕方がない。早く続きが読みたいです!


やっぱり美人は怖い。