まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

精霊使いの剣舞14 帝都動乱

ストーリー
精霊王の祭殿で消滅したはずのレスティアと再会したものの、契約精霊であった頃の記憶を失ってしまった様子の彼女に戸惑うカミト。
一方帝都では、諸国会議に参加していたフィアナに神聖ルギア帝国による陰謀の手が迫る。
皇帝暗殺未遂の濡れ衣を着せられ、投獄されてしまったフィアナを救おうと帝都へ向かうカミトたちだが……。



イラストレーターが変更となり、少し間が空いての刊行となった第14弾。いやあ、待ってました!
ここにきて囚われの姫君を助け出すという超王道展開! でも囚われの姫君がただ勇者を待つだけではないというあたりが、フィアナらしいところ。
帝国トップが敵に回ってしまった一方で、かの宿敵との共闘が熱かったですね。


レスティアとの思わぬ再会。かつて散々振り回されたものの、なんだかんだでやっぱり好きなキャラクターですし、再登場は嬉しいですね。
でも記憶を失っているせいですっかり普通の女の子になってしまっていて、これはこれで可愛いような、妙に寂しいような。エストとバチバチやり合っていた頃が懐かしいです。
カミトたちが安定のラブコメを演じている一方、帝都ではひとり、フィアナが孤独な戦いに。
一度は見捨てられたはずの彼女が、まさか次期国王候補のひとりにまでなるとは思いませんでした。結局貴族たちの思惑に振り回されているだけなのが悲しいのですが。
それはそうと、冤罪を押し付けておいて権力で捜査を打ち切らせるやり方があまりに汚すぎて立腹ですよ! でもフィアナを鎖で吊るすエロのセンスは素晴らしなんでもないです。


ヴェルサリアやルビアが再登場して、カミトたちと協力関係に。過去の強敵たちと力を合わせる展開って最高ですよね。
精霊剣舞祭で優勝しただけはあって、クレアやエリスが格段に強くなっていて驚きました。
でも今回はなんといってもカミトでしょう! いつにも増して冴え渡るその武芸! 闇の力に飲み込まれそうになりながら、フィアナのために単独で城に突っ込んでいくその無茶っぷり。やっぱりカッコいいんだよなあ。
さて、カミトとフィアナの奮闘で窮地を脱したかと思いきや、ラストでまたとんでもない事態が襲ってきました。
うーん、ますます盛り上がっていくストーリーから目が離せません! 早く続きを読みたい!


新イラストは仁村有志さん。桜はんぺんさんのイラストにかなり近い絵柄で、全く違和感なく楽しめました。
ゲオルギウスが迫力満点で良かったです。


夜の魔王が女の子にキスをする大義名分ができてしまった……!(笑)