まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件7

ストーリー
ついに姿を現した本物のグリンダを追いかけ、光の中へと飛び込んだシャール。
シャールが迷い込んだその先は、伝承で語られる二千年前の決戦の真っただ中だった。
伝説の戦乙女タニアと出会ったシャールは“神託の黄金の天使”と間違われてしまい……。



クライマックスを目前に控え、シャールとグリンダの因縁に決着をつける第7弾。
時間移動したり歴史を修正したりと、わりとトンデモな回ではあったけれど、最後はきっちりシャールと聖羅の話に落ち着けてくれるあたり安心感がすごい。
しかしもう、ほんとに、聖羅が愛おしすぎて……はあ、尊いってきっとこういうことなんだ……。


グリンダを追って二千年前の世界へ飛び込んだシャール。なんという急展開!
いきなりまるで別の話が始まってしまうんじゃないかとヒヤヒヤしたものの、実際はグリンダの真実やオルフェルートの謎など、物語の全てを解き明かすエピソードになっていてホッとしました。
気高くて孤独な天才だと信じられていたけれど、本当はシャールのことを誰より大切に思っていたグリンダ。でもそれを表に出せずにいた不器用な一面もあったのだということが分かって微笑ましい気持ちに。
誰より強いように見えて実は人一倍他者のぬくもりに飢えているところは、やっぱりちょっと聖羅と似ていますね。天才どうし、意外と仲良くなれそうな気がします。シャールを奪い合うライバルでもありますが。


シャールが自分を置いて行ってしまったことで塞ぎこんで、ずっと十歳の誕生日を拒否し続ける聖羅の姿が痛々しくてたまりませんでした。
過去からシャールが戻ってきてからも、彼が皆に正体を明かしたことで一緒にいられなくなると思って、塔にずっと閉じ込めておこうとしたり……。淋しさが募りすぎて、パンクしてしまったのだと思います。まったくシャールは罪な男だ。
そんな聖羅に対してシャールが告げた決意。今の聖羅にとっては辛いことですが……ここのところ聖羅が泣いてる場面しか見ていない気がするよ……これもシャールと聖羅の未来のためのこと。
次巻で最終巻ということですが、どうか聖羅の幸せな笑顔で終わってくれますように。
そして願わくは、シャールがちゃんと聖羅のことを選んでくれますように……。楽しみにしています。


店舗特典SSをまとめて巻末収録とか、編集部有能と言わざるをえない。