まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ヴァンキッシュ・オーバーロード 03:偽王叛逆

ストーリー
魔王の前に倒れ絶体絶命の将人たちを救ったのは、家族の護衛を頼んでいたはずのノアだった。
安全な居場所のない一行は冥王イリスが治める外郭の一角へと転がり込む。
イリスによって命を救われた将人は、家族を救うために再起を図るが……。



能力を奪われて力をなくしたアイリとリゼットの代わりにノアが大活躍をしてくれる第3弾。
彼女は最初から好きなキャラクターだったので嬉しいです。圧倒的に強いヤツはやっぱり格好良い。
冥王、英雄、女王といった王たちも登場して、一気に賑やかになりましたね。


命を操る能力を使ってコミュニティを守る冥王・イリスが登場。
イメージしていた「王」の姿とはだいぶ違って、逃げてきた者や自らの庇護の中にある民には優しく、慈愛のある人物でした(無表情だけど)。
一方、ひとつの信念に基いて行動する強さもしっかりと持っていて、王たるカリスマを感じます。
将人の提案に素直に頷くことができなかったのも、守るものがあるからこそ。むしろ将人の方が常識はずれで、考えなしでしたね。まあ、そうやって無茶を通してこその主人公ですが……。


物騒な会合を経て、来る戦いで頼りになるのは、やはりノア
ノアは本当においしいキャラクターだと思います。1巻でボスとして戦った相手が最強の手駒っていうのが熱い。
アイリ、リゼットとは異なり、表立って将人のために戦っているわけではないものの、主が願ったときにはちゃんと力を発揮してくれるこの謎の安心感。
アイリたちが全く目立っていなかったので、もう彼女のひとり勝ちといった感じでした。ヒロイン……にはなれないかもしれませんが、最高の相棒になってくれそうな気がしますね。
次巻からはいよいよ本格的に反撃開始、と行けるのでしょうか。今回は女王と英雄がちょっと期待はずれだったので、次はこの両雄に期待したいところです。


力を失っていたわけでもないのにこの扱いのクレス……不憫な子……。