まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

マグダラで眠れⅢ

ストーリー
ついにカザンの町への入植を許されたクースラたちは、イリーネと共に、グルベッティの町を出る準備を始める。
しかしその最中、ウェランドが“錬金術師ではない”という疑いを掛けられ、入植団に加われない危機に陥ってしまう。
ウェランドを助けたいフェネシスに対し、クースラは放っておけと突き放すが……。



フェネシスの可愛さが天井知らず。ああ、これは耳モフですわ。
今までも十分すぎるほど可愛かったんですが、今回は特に破壊力が高かったと思います。
巻を通してクースラとフェネシスの本音と建前を使い分けたやりとりが多く、たいへんニヤニヤさせられました。


いざ旅へ! というところから始まるかと思いきや、舞台はまだ街中。旅の準備が描かれます。
それに先立って工房にやってきたのがイリーネ嬢。彼女の明るいキャラのおかげで一気に華やかさが増しましたね。
腕の立つイリーネを前にしょんぼり打ちひしがれてしまうフェネシスがまた可愛くてたまりません。まったく、いちいち庇護欲をくすぐられるヒロインですね! 作業を近くで見るのはいたたまれないから違うところで役に立とうとするちょっとずれたところとか、もはや全てがいとおしい。
一方、いざ始まった旅支度では放浪の民の本領を発揮。珍しくクースラに教える側となったフェネシスさんですが、教わる側の意識みたいなものを同時にクースラから教わることに。
相変わらず(特にクースラに対しては)全然素直ではないけれど、ここできちんと自分を見つめ直せるのがフェネシスのいいところですよね。
クースラもクースラで、フェネシスには普段意地悪ばかりしているくせに時折こうやって見せる優しさがずるいなあと思います。抱っこの場面とか微笑ましさMAXで、もうなんというかあれだ、こいつフェネシス大好きだな!


予想外の方向から足止めを食らったウェランドを助けるか否かで意見の分かれるクースラとフェネシス。
頑固者同士一歩も譲らず、フェネシスの無茶を見かねてやっと折れたかと思ったらこのツンデレぶりですよ。クースラさんったらほんと……。
フェネシスを相手にするとどうしても意地になっちゃうんですね。おいおいお前も萌えキャラか。
そんなクースラだから、こんなふうにしてやられちゃったのかなと思います。イリーネさんがいい仕事してくれましたね。
フェネシスへの思いバレバレじゃないですか恥ずかしい。最高にむずむずします。早くくっついちゃえよ!


今回は1-2巻に比べると平穏な展開でしたが、最後の最後に大きな爆弾が。
クースラたち4人がこれからどうなってしまうのか、気になって仕方ないですね。次巻が待ち遠しい。


イラストで色んな表情のフェネシスが見られてほくほく。