まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ(9)

ストーリー
衝撃発言がきっかけとなり、これまでとは少々関係性を変えることになった秋人と銀兵衛。
そんな中、来たる夏祭りにおいてバイト先の海の家の分店を出すことが決定。
さらに秋人は、夏祭りで各メンバーとの個別デートをする約束もさせられてしまい……。



ここにきて本気を出してきた銀兵衛さん。可愛い。
ああだこうだ論理を盾にして思いを隠す彼女のやり方があんまり好きじゃなかったのですが、我らが秋人がようやくその壁を打ち破ってくれました。
ええ、それ自体はよくやったと思うし、銀兵衛にとっても結果的には良かったんでしょうけれど、しかしこの秋人さんはなかなかにひどい。
「好きなんだろ? あぁん?」と言外に告白を強制するようなチンピラっぷりに私ドン引きですよ。ずっと気付かなかったくせに、気付いた瞬間手が早いんだから。意外と強引に引っ張っていくタイプなんでしょうか。肉食!
それにしても、吹っ切れたあとの天真爛漫モード銀兵衛さんの破壊力はなかなかに凄くて、ちょっとクラクラしてしまいます。あ、秋人には秋子がいるんだからねっ! それ以上はだめなんだからねっ!


もはや恒例となりつつあるローテーションでの個別デート。この男、本当に全ヒロインを同時攻略するつもりじゃないでしょうね……。
今回は秋子、銀兵衛、ありさ那須原さんの順になったわけですが、やっぱり秋子が最高でした。
夏祭りという特別な日のデートでありながら、何もせずどうでもいいことをぼんやりと話すだけの兄妹ふたり。ああ落ち着く。
秋子こそ、他の誰よりも秋人に癒しを与えられる人材だと思うのです。秋人もしれっと「熟年の夫婦みたいだ」なんて表現を使ってくるあたり、相変わらずの思わせぶり。いい加減に認めちゃったらどうですか。
一方、思わぬ試合運びの巧さを見せつけてくれたのが最年少ありさちゃん。
他ヒロインから監視されつつのこの余裕の笑みにお兄さんちょっとゾクゾクしてしまいました。年少の特権を分かっていて利用してくるあたりがとても怖い。
駆け引きにおいてはもしかしたら彼女こそが最強なのかもしれません。成長次第ではとんでもない悪女になりそう。


銀兵衛の陥落により、最後の砦とも言うべき存在になった那須原アナスタシア嬢。
今回は最初から他とはちょっと違う雰囲気を醸し出していた彼女ですが(そもそも表紙だし)、やはりというかなんというか、最後にやらかしてくれましたね!
この爆弾を秋人がどう処理してくれるのか、実に楽しみです。基本秋子を応援している私ですが、単純にヒロインとして見ると、実は那須原さんも同じくらい好きなんですよね。ずっとくすぶってきた彼女の羽ばたきに期待。


ヨガに励む那須原さんのイラストが完璧すぎて額縁に入れて飾りたいレベル。