まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

機巧少女は傷つかない10 Facing "Target Gold"

機巧少女は傷つかない10 Facing

機巧少女は傷つかない10 Facing "Target Gold" (MF文庫J)

ストーリー
<流星群>騒動の責任を問われ、ラザフォードが失脚、<焼却の魔王>ライコネンの学院長就任が発表された。
この混乱に乗じ、日本軍は<愚者の聖堂>への侵入を決定。
だが、聖堂を目指す雷真の前に、仇敵マグナスと戦隊が立ちはだかる……。



アニメ化決定おめでとうございます! いやあ長かった。本当に長かった。ぶっちゃけほぼ諦めかけておりました。
TV画面で風のように飛び回る夜々を目にするのが楽しみすぎて夢に出てきそうな勢いです。


表紙ヒロインは<戦隊>の筆頭・火垂。遂にラスボスの取り巻きまで毒牙にかけるというのか。雷真……恐ろしい子
というのは、まあ、冗談として。今回は火垂と雷真たちの、敵味方を超えた友情の芽生えみたいなものが描かれました。
戦隊の中でも、火垂は雷真にとって特別な一体ですからね。色々と複雑な思いもあるのでしょうが、相手が誰だろうと助けたいと思ったときに助ける、そんな雷真が私は好きです。そりゃモテるわ。
また、一方の火垂も、どうやら他の人形たちとは少し違った思考を持っているようですね。同じ禁忌人形なのにこうした違いが生まれてくるというのはとても興味深いものです。もしかしたら元になった“彼女”が何か関係しているのかもしれません。


バトルに次ぐバトル。最強の学院長までが囚われてしまった過去最大の窮地で、雷真やシャル、ロキ、日輪、そしてグリゼルダといった面々が、それぞれの戦いを繰り広げます。
なんといっても格好良かったのは師匠ですね! 伊達に魔王を名乗っているわけではないということを存分に見せつけてくれました。
雷真や夜々たちとばかばかしい会話をしているときは忘れがちですが、<迷宮の魔王>は本当に凄い御方なのです! あのイラストには痺れました。ファンになりそう。
それから、雷真とロキの見えない友情は相変わらずの熱さでした。根拠もなく信じられる相手を友人と呼ばずして、何と呼ぶか。恋人か。いや、そっち方面には全く期待していないのだけれど、このままだと本当に、夜々の最大のライバルがロキになってしまいそうで少し怖い。
雷真とロキには、ぜひ夜会の頂上で戦っていただきたいものですね。もちろんシャルやフレイもね。
そうそう、アリスのさりげない活躍を忘れてしまってはいけません。アリスとラザフォードの父娘のやりとりには思わず胸を打たれてしまいました。嘘と皮肉に包まれた関係ではありますが、そんな中にも、なにか特別なものが隠れていたのかもしれません。


雪月花揃い踏みはずるい。もはや格好良いとしか言えないじゃないですか。
いろりも夜々も小紫も、単体でも十分すぎるほどに格好良いのに、こんな風に贅沢な使い方をしちゃっていいのか! いいのだ! もっとやれ!
なんだかんだで雷真も毎回必ず腕を上げているようですし、マグナスと決着をつける日も、そう遠くはないのかもしれませんね。
しかし、ああ、その前に、このラストですよ。ううむ、また気になる続き方をしてくれるじゃないですか。
戦いばかりで自分たちの身をかえりみなかったツケが、ここにきてたたってきたということでしょうか。
何よりも大事な相棒の危機に、雷真は何を思い、どんな行動に出るのか。次の巻も大いに楽しみです。


アニメは何巻までやるのかな。さすがに10巻まではたどり着かないでしょうけれど。