まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

僕と姉妹と幽霊の再会

僕と姉妹と幽霊(カノジョ)の再会(コンタクト) (このライトノベルがすごい! 文庫)

僕と姉妹と幽霊(カノジョ)の再会(コンタクト) (このライトノベルがすごい! 文庫)

ストーリー
無意識に幽霊を引き寄せる桃果の能力のせいで、再び生霊として目覚めた紫音。
桃果を「よりしろ」にしてしまったため、二人は四六時中行動を共にすることに。
紫音・桃果・クロの間に微妙な三角関係が構築される中、オカルト研究部に訪問者がやってきて……。



紫音さん復活。といってもまたもや生霊で。そろそろ目を覚ましてくれてもいいのよ……?
1巻のヒロインが紫音ならば、2巻のヒロインは桃果でしたから、これでようやくふたりの直接対決が見られることになりました。もっとも、全くもって対決という雰囲気ではありませんでしたが。
むしろ緋色と紫音の対決の方が見ものでしたか。キャラが似てる分、どうしても反発しあってしまいますよね。
緋色大好きな私としては、彼女に頑張ってもらいたいなあと思いつつ、クロのことを考えるとやっぱり紫音の方がいいのかなあ、なんて。
クロは実の姉に恋をするタイプには見えませんし、紫音最強説は未だ健在のようです。緋色には申し訳ないけれど、クロへの想いを胸に秘めたまま遠くで切なそうにしている姿が、彼女は一番綺麗なのかもしれません。
緋色と紫音について書いてたら桃果さんがどっか行ってしまいました。いや正直、ちょっと勝ち目がありそうには見えないですよね。今のところはね。


今回のゲストは、兄・蘇芳の幽霊にとりつかれてしまった妹・浅葱の兄妹。
妹が大好きだと言い続けるだけで本音が見えてこない蘇芳と、早く兄を除霊して欲しいと急かす浅葱の関係はまるで予想がつかず、放っておいたら何が起こるか分からない危うさがあって、さらには章末に挟まれる幕間がなんとも意味深で、実にドキドキさせられました。
物語が進んで、なんとなくこんな背景なのかな、とようやく思ったところで、ああ、これですよ。
全く、この作品はいつもいつも! 必ずどんでん返しを仕込んでいることが分かっているのに、毎回騙されてしまいます。もちろん、それが楽しいのですけれどね。
今回のクロたちは高津兄妹に完全に踊らされた形でしたが、中でも緋色のがむしゃらな必死さには、胸が痛くなりました。クロも罪な男ですこと。
ラストはいつもながら綺麗でしたね。幽霊が関わっている以上、全てがハッピーエンドとはいきませんが、キャラたちの心に少しでも救いがある終わり方で良かったとおもいます。蘇芳には敬意を表したい。
桃果の恋も1歩進んで、これからクロがどうするのかが気になるところですね。
紫音が目を覚ますまで決断を先送りにするのでしょうか。それとも何かアクションを取ってくるのでしょうか。そして緋色は?
次巻も楽しみです。


松本先生の短編、いいじゃないですか! 黄ちゃん多めでお願いしたい。