まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

あおはるっ!2

あおはるっ!2 (MF文庫J)

あおはるっ!2 (MF文庫J)

ストーリー
家出した娘に会いに謳歌荘を訪れた小町の母親・琴音。
しかし突然怒り出した小町は、母親を追い返してしまう。
両者の仲を取り持つことができないかと、頭を悩ませる有たちだったが……。



巻を通して小町メインの回でした。読めば読むほどロックンロールがなんなのか分からなくなってくるのが面白い。
新キャラその1として、この娘にしてこの親あり、というようなお母様がご登場。
普段はふわふわとした天然さんという感じだけれど、大事なところでは余裕を見せつけてくるところはさすがの大人。
意地を張って拒絶することしかできない娘よりもよっぽど魅力的に見えてくるくらいでした。
まあ、小町もまだ高校生ですし、親は子どものわがままを優しく包んであげてなんぼですもんね。それにしては、やり方が不器用すぎるような気もしたけれど。
結局のところこの親子は、両者が両者とも、とことん不器用でした。こじれるところまでこじれてしまい、後に引けなくなってしまったのですね。本当はそこからでもやり直せるかもしれないのに。
そして、そんなどこにも進めないような状況の親子を前にしても、大切な「家族」のためになら諦めないのが有たち謳歌荘の面々なのでした。
無茶とか出たとこ勝負とかこっ恥ずかしさとか、問題だらけの方法だけれど、全部無視してやり遂げてしまうあたりが、青春でロックなんじゃないかなあと思います。
そうそう、熊沢もテキトーなりに格好良かったですよ。


新キャラその2、有の義理の妹・リーナちゃん。可愛いです。ひたすらに可愛い。癒し。
いやあ、これは有がデレッデレになってしまうのも理解できますね。すずといいリーナといい、小動物系ヒロインの破壊力って凄まじい。
可愛いだけじゃなくて会話まで面白い。リーナのズレた発言と有のツッコミがいい味出してます。
小町やいずみがツッコミ気質のせいか、有は普段ボケているイメージが強いのだけれど、彼はツッコミの方がいい仕事をすると思うのですよ。
しかしなんだ、自分の趣味で「ほ兄ちゃん」と呼ばせるのはちょっと、さすがに引きますね!
小町とリーナのやりとりは良かったです。相手が小さな子だからこそ、教えられることもあるということです。


すずは相変わらずの脳内桃色大解放っぷりで楽しい。もう、有とひたすらセクハラ会話を繰り広げる章とか読みたいです。
前回とは違って話の中心が彼女ではないので、正直あまり目立っていなかったんですけどね。
個人的にはもっと有とすずのイチャイチャが見たいのですが。これからに期待してもいいのかな。
いずみさんはなんというか、安定して面倒くさい人だという印象が強いので、あんまり好きになれません。
分かったようなことを偉そうに言ってくるのが結構鼻につくんですよねえ。いやまあ、一見して正しそうな意見ではあるんだけれども。


1巻ですずの話、2巻で小町の話ときて、3巻は有の話になるのでしょうか。
見開きイラストと一緒に終わるこのやり方、本当に卑怯だと思います! 続きが実に気になる。Tivさんのイラストが素晴らしいのがまた……。
次で「一区切りつきそうな予感」ということですし、楽しみに待ちたいと思います。


普通にアリだと思うんですけど。惑星ロリータ。