まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

それがるうるの支配魔術 Game4:ロックドルーム・ゴッデス

ストーリー
夏休みに入り、合宿と称してタマキの田舎へ遊びに行くことになった欧文研メンバー。
そこで彼らを迎えたのは、透き通った肌を持つ女性、村の人々にインナミさんと呼ばれている“神様”だった。
間近に迫る村祭りの儀式で、タマキはインナミさんの婿役にあてがわれてしまい……。



学校から出て、タマキの田舎で合宿! 実家に女の子を3人も連れ込むなんてタマキさんったら大胆ですわね。いえ、碓氷もいますけど。
周りにほとんど魔術や魔術師が存在しないので、これまでのお話とはひと味違って新鮮でした。
たまには平穏な日々になるのかなとも思いましたが、そう簡単には終わらないのがるうるたち。
魔術はないけど神様はいる! ってなんだそりゃ!
いやあ、こうも平然と出てこられると、こちらとしてはそういうものなんだと納得するしかないんですけれども……。
タマキは魔術師から見ても異常な人とずっと一緒にいたのに、いざ魔術を見たときにはあれだけ驚いてたんですね。相変わらずどこかずれてるなあ。
それはそれとして、インナミさんは素敵なお姉さんキャラでした。御剣さえからかって手玉に取ってしまうあたり、大人の余裕を感じさせますね。
小春さん+インナミさんはなかなかの破壊力でした。ずっとこれでもいいんじゃないかな!


いつもながら小春さんも御剣も魅力的だったけれど、やっぱり愛らしさではるうるに軍配。至上にして最強。もちろんイラスト込みで。
何なんですかこの小動物。犯罪的に可愛すぎるんですけど。うちにも1匹、いや1人欲しい。
意外なことにタマキの側からのアプローチ(?)もあって、もはやカップルだと言わんばかりのふたりのやりとりに何度も悶え苦しみました。ポイント取り消しってなんだよちくしょう! うおおおおニヤニヤニヤニヤ。
今までのるうるはあくまで魔術のパートナーとしてタマキを見ていた感が強いけれど、同じパートナーでも、だんだん別の意味合いが強くなってきたのかなと思います。
小春さんも何やら怪しげだし、御剣はもはや言わずもがなだし、なんだかんだでタマキもモテるよなあ。
そりゃいい奴ではありますけど、ある意味一番謎めいた人物なのに。いや、ミステリアスだからこそモテるのかも。


毎度おなじみキーワード「首筋」。基本的にはコメディなのに、ときどき本気でゾッとすることがあるから侮れない。
伏線やトリックもやっぱり好きだなあ。ピッタリとはまる感じがあって。巧妙だと思います。
ストーリーでも、インナミさんとタマキの絆に胸がほっこり温かくなりました。
タマキの過去や秘密がだんだん明らかになって、作品全体でも大きな進展のあった回でした。
るうるがどう受け止めるかがずっと不安だったのですが、この分なら大丈夫そうです。タマキと一緒にいて、いつの間にかるうるも成長していたのでしょう。


あとがきによれば「ここから一気に加速」するとのこと。
るうるとタマキだけでなく、御剣や小春さん、そして碓氷がこれからどのような決断をし、何を選択していくのか。
この楽しい日常をどうか守り抜いてもらいたいものです。そして思う存分イチャイチャするがいいさ!
幕間での思わせぶりな会話も気になるし、いやはや、次巻も楽しみです。


気持ちがなかなか表に出ないるうるだからこそ、章末のメールがなんともニクい。