まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『お助けキャラに彼女がいるわけないじゃないですか2』感想

ストーリー
謎の転校生、街田好乃さんは魔光少女だ。(すごく美人!)またまた正体を知っちゃった僕は、【男に惚れられてはいけない】彼女の身バレペナルティ達成のため、お助けキャラとして奮闘! ――って、「好乃さん! むやみに男子の手を触ろうとしない!!」どうやら彼女は無自覚な超弩級のモテ体質。さらに庄川さんのお助けキャラも兼任中。……無理ゲーじゃない? しかも好乃さんと一緒だと、プールに合コン、リア充イベントが発生しがち。庄川さんもなぜか毎回ワンチャン狙ってくるし……え? 焦ってる? いやいや、お助けキャラが嫉妬されるわけないじゃないですか。無自覚拡大の勘違いラブコメ

まさかの魔光少女追加でただでさえ複雑だった人間関係がさらなる飛躍を遂げ勘違いとすれ違いが尚も交差しまくるお騒がせラブコメ第2弾。
二面性のある美少女転校生・街田さんのヒロイン力が高すぎて庄川さんが完全に食われている! ダブルヒロインものの様相も呈してきて、コメディのみならずラブ的にもなかなかアツい巻でした。


新しくやってきた転校生はやっぱり魔光少女でした。いやいや平地クン、どうしてばっちり身バレ場面に遭遇しちゃうのかな! 街田さんは庄川さんとは違って十分注意してたのに、むしろ平地のタイミングの悪さにびっくりですわ。
庄川さんのような身バレ危機こそないものの、ペナルティを回避するために「二週間異性から恋されない」という条件の達成が異常に困難な天然モテ体質の街田さん。というかこれ達成不可能じゃない? 男子高校生なんて女子と同じ空間にいるだけで好きになるものじゃん? じゃん?
街田さんのモテ回避サポートとともに引き続き庄川さんの身バレ回避サポートも継続していく平地くんの過労ぶりがやばい。でもこいつはやってやれちゃうんだよなあ! 相変わらず魔光少女を遥かに超えるハイスペックぶりである。


庄川さんと違って、平地に魔光少女のことがバレていることを知っている点が街田さんの大きなアドバンテージですね。
自然とふたりきりの時間も多くなるし、勘違いがないぶんやりとりもスムーズだし(大事!)、いつの間にやらかなりいい感じになっていく……美少女転校生は強し。
平地とふたりきりのときだけは素の自分を見せてくるのがまた可愛らしくてよいです。これはうっかり好きになっちゃいますわ。まあそれでも平地は落ちないんだけどさ……。なんでお前はそんなに自分の恋愛の可能性を否定しちゃうんだい……?
自分が一歩遅れたことを自覚した上で押せ押せで行くことを決めた街田さん。そんな彼女の姿を見て焦る庄川さん。盛大に勘違いを続ける周囲の諸君。そして自分が嵐の中心であることに全く気づいていない平地。
混沌極まるラブコメディは、しかし今巻のラストで大きな転換点を迎えた! ……かも、しれない。このトライアングルの明日はどっちだ。続刊に期待です。


それにしてもチュウは無能すぎない?

『特殊性癖教室へようこそ』感想

特殊性癖教室へようこそ (角川スニーカー文庫)

特殊性癖教室へようこそ (角川スニーカー文庫)

ストーリー
新卒教師、伊藤が受け持ったクラスは特殊だった――白ギャルビ○チに盗撮魔、ヘンタイ発明家に露出女子、性癖はナイショの清楚系委員長など、20人の特殊性癖の持ち主が集まっていた。伊藤の役目は生徒を正しい道へと導くこと――ではなく、生徒の性癖を伸ばすこと!? アブノーマルな日常にも慣れてきたある日、掃除ロッカーから亀甲縛りの女の子が――第22回[秋]スニーカー大賞話題作。問題児たちが贈る性癖エロコメディ!

第22回[秋]スニーカー大賞<特別賞>受賞作品。特殊な性癖を持った生徒たちが集まるクラスの担任になった主人公が次々に変態性の高い事件に巻き込まれていく学園エロコメディ。
男子も女子も変態だらけ! しかもわりとガチにダメな方の変態だらけ! そしてそんな中にいきなり放り込まれたのに完全にその一員としてやっていけてる主人公がある意味一番の変態という、どうにも救いようのない変態祭りでした。楽しかったです。


歴史上の天才には特殊な性癖を持った人物が多いから、逆に特殊な性癖を持った子を集めればそこから天才が生まれるのでは? という悪魔的におバカな発想で作られた地獄のクラス、それが特殊性癖教室なのだ!
新卒の教師なのにいきなりそんなクラスの担任を任された伊藤(22歳)。初日からいきなり、非リア三人衆の一員たる盗撮魔の男子から盗撮写真の山をプレゼントされるという洗礼。なんて羨まけしからん。というかこの非リア三人衆だけいきなりディープすぎない? ハカセの発明品とかもうクレイジー以外の何物でもないんだが??
セクハラとか、そういうのを一足飛びに超えて普通に犯罪集団やんけ! むしろなんでこいつらまだ逮捕されてないんだ。フリーダム学園すぎる。


さて、3人しかいない男子に比べて、さすがに変態性をそこまでおおっぴらにはしない女子たち。
このクラスが特殊性癖教室だということは生徒たちには知らされていないということもありますけど、普通に見える女の子がみんな変態的な裏の顔を隠し持っていると思うと、こう、なんだ、何か胸に湧き上がってくるものがありますね……!
いやー変態ヒロインってやっぱり魅力的じゃないですか。だから放課後の掃除ロッカーからいきなり全裸で亀甲縛りされた水浸しの女の子が出てきたらちょっとグッとくるじゃないですか。そうでもないか。そうでもないな。やっぱちょっと引くな。
その彼女・伏黒さん、この巻での変態プレイの半分を一手に引き受ける凶悪なヒロインでございました。というかこのオチはさすがにバレバレすぎるやろ。
さて正直なところ、非リア三人衆と伏黒さんを除けば、以外と変態を見せてくれるキャラが少なかったなという印象です。むしろテンパった主人公がちょいちょい漏らす変態性のが一番目立っていた説すらある。
性にオープンなだけに見えて実はまだ奥に何か隠し持っていそうな胡桃沢とか、何よりメインヒロインらしく表紙を飾っておきながら最後まで清純派っぽく通した恭野とか、気になる人物がまだまだいるので、ぜひ全員の性癖を明らかにするまで続いてほしいなと思います。


イラストは魔太郎さん。下着や裸はもとより、表情のエロさがたまらんです。
なんでここをイラスト化しないんだ! という場面が多すぎてこまる。ぜひコミカライズしてほしい。無修正で。


岡村くんが不憫すぎて泣いた。

『好きって言えない彼女じゃダメですか? 帆影さんはライトノベルを合理的に読みすぎる』感想

ストーリー
「恋人同士、ですか? よく解りませんが、それでよければ」
僕の彼女、帆影歩は少し変わっている。無口で無表情が基本な上に「人=哺乳類=おっぱい大好き」と、平然とトンデモ理論を語ってくる。さらに僕の足の甲を愛撫してきたり、入浴中の裸の画像を送ってきたり――って帆影? 当初は清純派文学少女だったよね!? おかげでなぜか妹の映が心配?してきて、言葉責めに合うようになったのですが!?(妹よ、お前は何なんだ)
そんな帆影も“普通彼女”を目指してはいるらしく、参考にしているのは……ら、ラノベらしい?(なんか期待しちゃう)
彼女と妹と僕。ラノベを通じた不思議な三角ラブコメ開幕!!

やったー玩具堂先生の新作だー! 少し不思議ちゃんな彼女とともに、ライトノベルとは、萌えとはなんぞや、を紐解いていくほんわか青春ストーリー。
ライトノベルを題材にして唐突に語りだすミステリアスなヒロイン・帆影が奇妙な魅力を放つ1作でした。可愛いのう。


一応お付き合いしているはずなのだけれど、傍目には全く彼氏彼女らしくない主人公・天太と帆影。そして兄のようなオタクを嫌いながらも実はブラコン全開な妹の映。
わけあってライトノベルのことを学ぼうとする映のため、天太と帆影がライトノベルのことをともに教えていくというのが今作のお話の流れ。
さて、ライトノベルの表紙で胸が強調されているのはなぜか、という命題が提示されて、「人間だって哺乳類なのだから自然におっぱいを求めるもの」というところまでなら、どこかしらで聞いたことがあるような内容だと思います。
しかし帆影さんはそんなところでは到底留まりません。「ホモ・サピエンス」や「ホモ・ファーベル」といったヒトの定義から話を展開し、人体の構造や生理を踏まえ、なぜ人類がおっぱいに惹かれてしまうのかという理論を数ページに渡り切々と語り上げた結果、織田信長はスゲェという結論にたどり着く、そんな異次元の理論展開を見せてくれるのです。どうですか、意味がわからないでしょう!
そんな彼女は主人公から見ても、その妹から見ても、――そしてほとんどの場面では読者から見ても――、わけがわからない女の子なのだけれど、その意味不明さにどうしても惹かれてしまう主人公の気持ちは、正直めっちゃわかる、わかってしまうのです。


主人公のことを好きなんだか好きじゃないんだかわからない、でも一応付き合っているらしい彼女。
ライトノベルにまつわるアレコレとはまた別に、謎めいた彼女の真意を探していくラブコメディとしても楽しい。というか、そっちがむしろメインなのでしょうけど。
無表情で無口で無防備、でも時々妙に饒舌だったり積極的だったりする。そんな付き合いたての彼女に思う存分振り回されるのがいい。
わからないからこそ、もっと知りたくなる。少しでも知ることができたら、嬉しくなる。恋愛って、そういうことやん……?
ずっとその真意がわからなかっただけに、最後のエピローグにはやられました。いやラストになってこんなんずるいでしょー! 好きになるでしょー! ごちそうさまデース!
この魅力的すぎるヒロインをもっともっと見ていたいし、妹ちゃんとの胃が痛くなる感じのバチバチももっとやってほしいので、ぜひ続刊希望です! お願いします!


イラストはイセ川ヤスタカさん。帆影のキャラデザがほんと素晴らしいです。
顔も体つきも表情もいいのだ。たまらんのう。


まさかこんな形で『子ひつじは迷わない』を登場させてくるとは……(笑)。