まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『エリスの聖杯3』感想

エリスの聖杯3 (GAノベル)

ストーリー
希代の悪女の亡霊スカーレットと、その復讐につきあうことになった地味令嬢のコンスタンス。奇縁で結ばれた令嬢コンビはついに、十年前の処刑の真相へと辿りつく。
あとは順に復讐相手を見つけ出していくだけ、と気炎をあげるスカーレット。だが、王国内で暗躍を続ける組織【暁の鶏】は、コニーやランドルフを『エリスの聖杯』の邪魔者であると認識し、その排除のために動き出していた。敵の意図を看破したコニーは、あえて冤罪を被って収監されることで、ランドルフの行動の自由を確保する。しかし、そんな彼女に下された王命は『十年ぶりの公開処刑』だった――!
十年前のサン・マルクス広場、処刑場での邂逅から始まった二人の少女の物語。その果てに待つ運命とは!? 感動の第三弾!!

世代をまたぐ復讐の結末は
完結。いやー素晴らしかった! 綺麗な伏線回収劇もさることながら、登場人物が全員生き生きと魅力的に動いていくドラマには感嘆させられました。
スカーレットによる復讐劇からコニーの救出劇へ、華麗なる変化っぷりにもただただ拍手。
1巻は1巻で、2巻は2巻でそれぞれ面白かったけれど、こうして完結してみると改めて感じるのが全体の美しい物語構成です。3冊一気に読み返したくなってしまいますね。


コニーにスカーレット、ランドルフといったメインどころはもちろんですが、ケイトやミレーヌ、アドルファスやアリエノール、果てはハームズワースやキンバリー・スミスやセシリアに至るまで、敵味方、過去現在、サブ・モブキャラ関係なく、みんなに見せ場が用意されていたのには驚愕。
この作品は3巻完結のわりにかなりキャラクター数が多いのですが、そんなキャラたちが一気に動いてくると圧巻ですね……。まさかキンバリー・スミスがそんな風に活躍するとは思わないじゃん……。
僕の推しはなんといってもルチア・オブライエンですね! この幼女あまりに格好良すぎます。イケメンヒロイン大好きなんで。ルチア主人公で別の物語が読みたいくらいです。


それにしても僕らのばかコニーはやってくれるぜ! 彼女の無茶も行くところまで行ったなという思いですが、命の危機に立たされた彼女のために周囲が全力で動き出す展開には胸が熱くなりました。そうかー! ここで誠実のグレイルが生きてくるのかー! なんだよ泣かせんじゃねーよ!!
スカーレットもねえ。いつの間にやら自分の復讐のことなんてどっかにやっちゃって、コニーのために必死になっちゃって、お前ジャ○アンはジャ○アンでも劇場版のジャ○アンだな!?
今作は復讐劇でもあればミステリーでもあり、偽装婚約カップルのラブストーリーとしても楽しく読めるけれど、やっぱり一番はコニーとスカーレットの友情物語なんだよなって思いました。最後のイラストとか、ちょっと完璧すぎない?
大満足のシリーズでした。上にも書きましたが、いつかまとめて読み返したいですね。漫画版の続きも楽しみにしています。


この面白すぎる登場人物紹介はガチで発明ですわ。