まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『弱キャラ友崎くん Lv.6.5』感想

弱キャラ友崎くん Lv.6.5 (ガガガ文庫)

ストーリー
あの日、彼女はまだ完璧じゃなかった。
あの日、彼女は人前で初めて泣いた。
あの日、彼女はすべてを振り切るスピードが欲しかった。
あの日、彼女は――……。
日南、菊池さん、みみみ、優鈴――。少女たちのあの日の想いが、ここに紐解かれる。6巻と7巻をつなぐ“彼女”の気持ちも……? 「弱キャラ友崎くん」の世界がさらに色づく、珠玉の短編集。

シリーズ初の短編集。6巻の引きがアレだったので、「ここにきて短編集なのかよぉー!」と悶絶しました。このタイミングで語りたかったことがある……と説明はされていましたが、さすがにドSすぎるでしょう!
しかしそれはそれとして、日南や菊池さん、そして誰より、みみみの視点から描かれる、過去のお話や本編の裏話などなど、どれも興味深いエピソードでした。中でもやっぱりみみみの短編が格別でしたね! ほんと、みみみはヒロインとしても主人公としても魅力的な女の子ですよ。


第1話は中学生時代の日南の初彼氏(!)との出会いと別れを描いたお話。
いやあ、日南のことは常々「怖い」だとか「腹黒」だとか「ラスボス」だとか言ってきたけれども、中二の時点でこれかよ!
日南を射止めたつもりで舞い上がって、実際は手の平で転がされている先輩……正直不憫である。まあ日南のお相手を務めるには役者不足だったということで。
しかし思春期真っ盛りのはずの時期にこの冷めた視線。日南が男に惚れるようなことは、果たしてあるのでしょうかね?


第7話はみみみが友崎やたまちゃんの成長ぶりに戸惑い、新たな気持ちで一歩を踏み出すお話。
今回はこの短編が一番好きでした。表向きは常に明るくて朗らかな彼女が秘めた年相応の悩みと、それを振り切ってからのスポーツ少女らしい清々しさ。これぞ青春! といった気持ちのいい一話でしたね。
ラストの日南との一騎打ち! 日南には何かと負けっぱなしだったみみみの最後の一華! そりゃもうここは、みみみを応援せざるを得ないというものでしょう。
しかし日南は、完璧すぎるが故に、どこに行ってもラスボスキャラになってしまうよね……損な役回りのヒロインである(苦笑)。


そして第10話。前巻の「あの一言」の後のみみみの姿を描く掌編に悶絶。
ぐわー! かーわーいーいーんーじゃーーー!!!
あんだけ飄々とした風に爆弾放り投げといて内心バクバクとか、それはズルいでしょみみみさん! こんなん好きになっちゃうじゃん!
7巻へのさらなる期待が高まりまくったところで今回はお開き。ともかく早いところ次を! 次をよろしくお願いします!!


優鈴と中村のバカップルぶり、最初は微笑ましかったけれども最近ちょっとイラッとしてきました(笑)。