まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『緋弾のアリアXXIX 盟約の諜侯』感想

緋弾のアリアXXIX 盟約の諜侯 (MF文庫J)

ストーリー
武装探偵、通称『武偵』。それは凶悪化する犯罪に対抗するため武装を許可された探偵の事である。その最高レベルのSランク武偵・アリアのパートナーに選ばれてしまった(普段は)ただの一般人・遠山キンジ。ネモとの無人島生活から帰還したキンジは、武偵庁と公安0課によって私立女子高への潜入捜査を命じられる。生徒に紛れて潜伏する『N』の幹部・ヒュドラを逮捕するためだ。クロメーテルへの変装を強制され、歩調の合わないバスカービルと共に、女子しかいない学校や寮で困難な日々を送るキンジ。さらに役員として入った生徒会で問題が起き……?

バスカービル、集結
大好きなこのシリーズもいつの間にやら10周年! 10周年かあ……。確かほぼリアルタイムで読みはじめたと思うので、そのまま10年間の付き合いということになりますが、次でもう30巻ですって。勢いも衰えず、よくもここまで。応援し続けてきた甲斐があるよなあ。
今回は久しぶり(だっけ?)にバスカービルが揃っての潜入任務&バトル! 世界のあっちこっちで現地妻を作っていくパターンもいいけれども、やっぱり僕はこのメンバーが一番好きなんです。
相変わらずの仲間割れっぷりと、いざ実践になると途端に良くなるチームワークと。これぞバスカービル! これぞ緋弾のアリアだ!


バスカービルの面々とともにキンジが潜入を命じられたのは、よりにもよって女子高! クロメーテルさんの出番や!
集合早々いつもの内輪揉めがはじまってなんだかホッとする自分がいました(笑)。いつまでも変わんねーなあ、この子たち。
女子高となるとヒステリア的にもはや地雷原と変わらない危険地帯ですが、なんだかんだでクロメーテルの美人力によってそれなりにお嬢さまJKの中に打ち解けていくキンジさん。やっぱりキンジさんって凄いわ……でもいくらなんでもあっさり銃バレしすぎでしょ! あんたそれでも武偵なんかい!
それから、バスカービルのヒロイン陣が揃っていてもやっぱりできちゃう現地妻。話を聞いたアリアが特別怒るでもなく、「そういう男だってことは前々から知ってる」とか言っちゃってて笑ってしまいました。おい嫉妬を通り越して呆れられてるぞ。たまにはちゃんと正妻のことも愛しなさいよねキンジさん。


姿を見せない敵の正体を暴くため、アリアが提案したウルトラC。ここでそれをバラしちゃうんかい! とは思ったけれど、ラブコメ的にもおいしい展開だし恥じらいアリアさんの可愛すぎるイラストも見られたのでまあよし。
遂にその正体を現した強敵。奪われた人質。迫るタイムリミット。バスカービルのメンバーそれぞれの得意分野を活かした戦闘。これぞ赤松中学というスピーディーアクションで、今回もたいへん楽しませてもらいました。
普段あんだけバラバラなのに、バトルになると抜群の連携を見せてくれるバスカービルってやっぱりいいチームだわ。お互いへの信頼感なんかも見えてきてほっこりしちゃいます。しかしキンジさんの技もどんどん進化していくな! 桜花の大安売りもいいところである。また超人度が上がってしまった……。
今回はアリアのターンもたっぷりあったし(表紙もアリアだし!)、伏線を張った上での謎解き要素もよかったし、コメディとバトルの配分もばっちりで、お気に入りの巻になりました。
相変わらず不安を煽る次回予告だったけれど、次巻でもアリアをはじめバスカービルの面々が活躍してくれるといいなあ。


突然のジャンヌdisには笑った。ただでさえ出番も少ないのに不憫な子である……。