まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『我が驍勇にふるえよ天地6 ―アレクシス帝国興隆記―』感想

ストーリー
「貴軍に共闘を要請したい。謝礼はアドモフ一国、御身に差し上げる」悲願のリント奪還を成したレオナートの下に怨敵レイヴァーンがもたらした衝撃の共同作戦。元帥皇女軍と名を改めたレイヴァーンは祖国を裏切りレオに助けを乞う。信念を貫こうとする彼の覚悟を知り、レオはこの最も憎むべき敵を迎え入れた。行く手にはアドモフ帝国の大軍団。新皇帝ウィランが待ち受ける首都を目指し、レオは敵地を突き進む――。いざ、アドモフ本土攻略へ! 因縁を超えて手を取った宿敵同士の同盟が歴史的戦術を凌駕する!! 痛快にして本格なるファンタジー戦記、激震の第6弾!!

宿敵・レイヴァーンとのまさかの共闘によりアドモフへ逆侵攻をかけるという衝撃の展開!
いやはや、悲願のリント奪還からアドモフ打倒までの流れがあまりに早くて驚きました。これまでの流れからいって、てっきりアドモフがラスボス的な立ち位置かと思っていたのに……遠慮なく話のスケールを大きくしていくのが素晴らしいですね。
かつての敵との共闘は、心情的には難しい部分もあれどもやはり熱いものです。敵味方ともに新たな将なども登場してきて、次巻でのさらなる盛り上がりを予感させてくれる巻でした。


アドモフ皇帝に囚われた元帥皇女メリジェーヌを救うため、レオナートに共闘を申し込んできたレイヴァーン。
今の今まで戦っていた相手からいきなりこう出られたらそりゃあ疑うのも当然というもので、何よりレイヴァーンはエイナムの敵でもあるし、毒などという卑劣な手を使われたこともあるし、アランの反応がむしろ自然なのかもしれません。
しかしそこで彼の手をとり、アドモフ奪取へと動けるのがレオナートの王の器というもの。そしていざ味方となれば、アドモフ攻略の上でレイヴァーンほど頼りになる相手もいない。
アランには悪いけれども、さんざん争ってきた好敵手との共闘はやっぱり燃えますわ。テンション上がっちゃいますわ。


いざ進軍するレオナート&レイヴァーン連合軍。迎えるは軍事大国アドモフ。
敵がレイヴァーン軍からアドモフ全体へ広がったことで、敵側に多くの新キャラクターが登場してきました。
特に気になるのが、皇帝肝いりの隠れた才能・ダノール! 裏切り者の家系に生まれたがために周囲から誤解され、ただ皇帝だけがその真の才能の深さを知る……。アドモフ攻略の最後の壁になるであろう人物で、レオナートたちとの決戦が楽しみな存在です。
他にもジャンフランやゴラインやミノス大将など、次から次へと綺羅星のような才能が。戦記たるもの、やはり味方がただ強いだけではだめで、敵も強く魅力的だからこそ華やかな戦いが楽しめるというもの。その点でいうとアドモフ攻略戦はこれまでで最高の戦が期待できますね。
また、レオナート軍の方にも新たな才能が。新参のプレイボーイ騎士・オスカーがそれなのですが、クルスに負けないキャラの濃さと、クルスと同等の武とで、まさにクルスとは双璧をなす楽しいキャラクターでした。何かと余裕のあるオスカーに比べると、マチルダを取られるかもしれないと必死なクルスが微笑ましく見えてきますね。双方キャラを立たせ合ういいライバルキャラだと思います。
敵味方ともに才能は集い、帝都は目前。間近に迫る一大決戦。次巻は……凄いぞ。


ジュカ×アランが微笑ましすぎてニヤニヤしちゃう。