まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『顔が可愛ければそれで勝ちっ!! バカとメイドの勇者制度攻略法』感想

ストーリー
豪華な設備と自由な校風、そして「何でも願いが叶う」とされる謎の制度<勇者制度>で有名な姫八学園。青春を求め入学した俺、国立大理を待ち受けていたのは――築118年の超オンボロ男子寮!? しかも「ダイリ、新婚生活の新居はここ?」金髪碧眼幼馴染・南恋から逃げ切れず俺の青春は終わり……のはずが、女子寮メイドの東條風花さん(巨乳美少女)と仲良くなり一変! 俺の部屋で一緒に勉強したり、裸を見たり(不可抗力!)と、まさに青春――と思っていたら「私、退学になるんです」と告げられ!? そんなのダメだ!! 男子寮のバカな悪友たちと一緒に<勇者制度>を使って東條さんを助けるんだ!!

第23回[春]スニーカー大賞<特別賞>受賞作品。
トンデモ学園で出会った癒し系美少女を退学から救うため、願いを叶えるゲームに挑むおバカな仲間たちの奮闘を描く学園コメディ。
荒削りながらもちゃんと笑わせてくれるギャグ作品。個性豊かなキャラクターたちのドタバタ騒ぎが楽しいですね。


フリーダムを理念に掲げる私立姫八学園に入学した主人公・大理。しかし入寮した男子寮は倒壊寸前のオンボロ! 高級ホテルのような女子寮とは雲泥の差の建物だった!
ということで女子寮の調査のために男子寮生13名で潜入するのだー! というところから物語が始まったところで、この作品のノリを察しました(笑)。
主人公の友人たちは、筋肉バカ、盗撮が特技の忍者、見た目美少女な剣豪と、これだけでツッコミどころ満載のバラエティメンバー。
そしてヒロイン陣! メインヒロインの東條さんこそまともで真面目な苦学生美少女だけれど(だからこそ癒やし役なのだ)、幼馴染みの恋は大理のことが好き好き大好きすぎて定期的に結婚式場を予約しちゃう重さMAXの女の子だし、他にもマッドサイエンティストなお姉ちゃんとか、大理の顔を見ると抱きついて匂いを嗅いでくる巨乳な先輩とか、こっちはこっちで変人だらけ。
それぞれのキャラクターが立っているから、彼らがただ喋っているだけでも賑やかで楽しいです。アホどもが全力でアホなことをやるのっていいよね。それが青春だよね。
推しヒロインは断然恋ですね! 愛が重い幼馴染み(金髪碧眼美少女)最高じゃんか! なぜこの可愛すぎる求愛に応えてやらんのか理解できんぞー! 他のヒロイン陣と恋は確実に違う地平に立っているというか、一人だけ大理と「わかりあってる」感じがあって、それがいいんだよなあ。大理も恋を避けつつ、なんだかんだで彼女のことを大切にしている描写があったりして、ニヤニヤしてしまうのです。


東條さんの退学を阻止するため、そしてついでに男子寮の待遇を改善するため、優勝者の願いを叶えてくれるという学園全体のゲームに参加する一同。
単純なサバイバルゲームではなくて、ちょっと頭を使う要素も入っているのが、どんでん返しを予感させてくれていいですね。
まあ欲を言えば、せっかくこれ見よがしに大理が暗躍していたのだから、もう少し捻った展開というか、頭脳戦をしっかり描いてくれてもよかったかなとも思いますけど。まあ基本はコメディですしね、アクションと笑いがちゃんと用意されていただけでも十分かな。
「なんでこんなタイトルなんだろう?」という疑問がラストのラストで解消されるのも綺麗でした。楽しく読ませてくれたので、続巻も期待してます。


イラストはもきゅさん。可愛いとギャグとカッコいいと、色んな顔のイラストを見せてくれています。
もちろん恋が一番だけれど撫子先輩も推せる。


他はギャグで流せたとしても、猪助だけはナチュラルにやべーやつなのでは……?