まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『お前(ら)ホントに異世界好きだよな ~彼の幼馴染は自称メインヒロイン~』感想

ストーリー
異世界なんて、現実にあるわけないだろ。フィクションだよ、フィクション。幼馴染の亜希奈はアニメやラノベが趣味で異世界ラブ!なようだが、まったく俺には理解できないわ!! しかしある日、現実とは思えない場所、異世界と呼ぶしかない空間に足を踏み入れる。これはもう「実在した以上、現実だ」と考えざるをえないだろう……。世界神会議から「異世界へ転移して戻ろうとしない者を帰還させてほしい」と依頼された俺は、神々の代行者として、亜希奈とともに様々な異世界へ出向くことになる。現実主義者の俺が、異世界の平和を守ることになろうとは……!

異世界から戻ってこない現世界人たちを神々の代行者として連れ戻すファンタジーコメディ。
天然な幼馴染の少女と一緒に色々な異世界を行ったり来たり。もうこれだけで楽しいですね。
別に付き合ってるわけでもないのに自分のことをメインヒロインだとか抜かしちゃう幼馴染、ちょっと最強すぎませんか。


異世界に住みついたまま戻ろうとしない現世界人を連れ戻す、というバイトを始めることになった匡一郎と亜希奈。
最近やたら現世界人の異世界転移が増えている(笑)とか、なぜか異世界で日本語が通じるというアレとか、異世界モノのお約束ネタを盛り込んできていてニヤリとさせてくれますね。
巨大な樹木の中にエルフが棲んでいる世界。荒野とゴーレムの世界。女騎士や魔王のいるファンタジー世界。色んな異世界をさくっと見ては、目的を達成して帰る。この気軽さがいい。
異世界に閉じこもった現世界人諸君(みんな高校生)の残念感、なかなか身につまされるものがありますわ……。


異世界モノが元々大好きでテンション高く色んな異世界へと飛び込んでいく亜希奈と、あくまで理性的に仕事をこなそうとする匡一郎、実に対照的な幼馴染コンビです。
しかしこの亜希奈、匡一郎へのベタベタっぷりが半端じゃない。ずっとひっついてるとかじゃなくて、当たり前に「10年後には結婚してまーす!」って喧伝しながら歩いてるみたいな、そういう明るいベタベタ。
匡一郎は匡一郎で、そんな幼馴染に困っているというポーズを取りつつも、内心では「自分のことを亜希奈ほどよくわかってる人はいない」とか「亜希奈には敵わない」とかモノでローグっちゃってるし、わかったわかった、もういいからお幸せにな、って感じだ……。
今後のシリーズの中で正式にくっついたりもするのかな? このまま行くとこまで行っちゃいそうな気もするけど。


イラストはERIMOさん。なんだこの魅惑の表紙イラストは。
畑中さんのなんともいえぬ地味さがツボ。


十亀くんダメすぎるだろ……設定はこと細かに作り込めよ!!(違うそこじゃない)