まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『魔王は服の着方がわからない』感想

魔王は服の着方がわからない (ファンタジア文庫)

魔王は服の着方がわからない (ファンタジア文庫)

ストーリー
オタク文化にハマった俺、魔王・真野央大は理想の嫁と出会うため、オタクの聖地・日本の高校へやってきた! 早速同級生の白石乃音さんに一目惚れし、勝負服(超クールな魔王マントだ)を着てアタックしようとしたら「なんちゅー格好で話しかけてんのよ!」クラスメイトの藍野瑛美が水を差してきた! え、俺の服ってそんなにヤバい? 「仕方ないわね。うちに来て」流れで藍野とファッションを学ぶことになり!? 藍野の着替えを目撃するトラブルもあったけど、アドバイスのおかげで念願の白石さんとのデートも決まって――。魔王でオタクな俺でも、おしゃれをすれば恋ができる……のか?

うおおおい、長岡マキ子先生の新作ラブコメじゃーい!
お妃様探しのために魔界から日本へやってきた魔王の少年が、お隣さんの美少女からオシャレを教わるファッションラブコメ
現役ファッションブロガー監修の下、各章ごとにテーマに沿ったオシャレ知識の紹介をしつつ、しっかりと面白いラブコメディに仕上げてくるあたりがさすがの力量ですな。


唐突な思いつきで日本にやってきて私服の高校へ入学を決める魔王ダイバルドこと真野。
しかし彼の服装ときたら、お付きの乳母(センスはほぼオカン)が商店街で買ってきた服やら、美少女ゲームのキャラクターがデカデカと描かれたパーカーやら、残念極まりない。まあ、魔界からやってきたばかりだからね。オシャレの基準も違うしね。
そんな彼を見かねたお隣さんにしてクラスメイトの美少女・藍野。真野の手を引っ張ってショッピングモールへと連れ出すのです!


いやー藍野が可愛いですね。ふたりきりで何度も買い物に行ってファッションを教えていくうちに、だんだんいい感じになってきて、というかこれもうデートでしょってくらいだし、ちょっとした真野の言動に顔を赤らめちゃう藍野にきゅんきゅんしちゃう!
それなのに鈍感野郎の真野ときたら、藍野に面と向かって「白石さんが好き」とか言っちゃうし、アホか、アホなのか!
白石さんとも親友同士の藍野は、自分の気持ちを抑えて、真野の恋を応援するためにさらなるファッションテクを伝授していくわけですけど……。藍野よ、そっちは茨の道だ……。
真野は白石さんのことが好きなんだと分かっているけれど、めったに着ないガーリーなファッションを真野から褒められて思わず嬉しくなっちゃったり、遊園地に誘われて喜んじゃったり、もう藍野の立ち位置が切なすぎて見てられない!
白石さんも超いい子だけど、こんなの完全に藍野に肩入れしちゃうよ、仕方ないでしょ! 頼む、報われてくれー!
そして真野は自分の非道っぷりに気付け! 一回深く反省しろ!


イラストはU35さん。ファッションラブコメだけあって、服の描写にこだわりを感じられてよかったです。
章間のコラム部分とか、もはや普通にファッション誌のようだ(笑)。


この本、高校生時代に読んでたら、少しは違っただろうか(何かが)。