まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

りゅうおうのおしごと!4

ストーリー
最大の女流棋戦『マイナビ女子オープン将棋トーナメント』に出場するため、東京にやってきたあい達。
女流棋士やアマチュア強豪がひしめくその大会を、あいと天衣は破格の才能を武器に駆け上がっていく。
一方、その師匠は将棋番組に解説として出演、美人女流棋士とイチャイチャしていた……。



女流のオープン棋戦に挑むあい、天衣、そして桂香の勇姿を描いた第4弾。
初めての表舞台でその特級の才能を乱舞させるJS弟子ふたりの姿にグッと来ちゃったよ……。
才能と才能のぶつかり合いも熱いけれど、才能に選ばれなかった者たちの戦いもまた胸を打つ。まったく見事なエンタテイメントだ。


マチュアも参加でき、女流棋士とも戦える女流最大のオープン棋戦に、満を持して参加するあい達。
まずは一斉予選への出場者を決めるためのチャレンジマッチから!
ほとんどの相手はアマチュアといえど強豪だらけ、そんな中で四連勝して予選に駒を進めるのは、さすがのあいや天衣でも簡単ではない……と思っていた時期が竜王にもありました。
いや、つええんですわ。この女子小学生コンビ……。天衣はともかく、あいは将棋歴7ヶ月なんですけど。いや強いのは知ってましたけど、まさか現役女流棋士をバサバサ斬り捨てていくほどとはね。
そんな圧倒的な才能を持つ女子小学生がふたり。どちらも現役竜王の弟子。そりゃ注目もされますわ。スター誕生の瞬間を見た。あと、八一のロリコン疑惑が関東の将棋ファンに浸透していく瞬間も見た。


しかし当然ながら、女流棋士にも特別な才能を持つ者が存在します。《捌きのイカヅチ》祭神雷もその一人。
才能そのものではあの銀子さえも凌駕するという彼女、八一となかなかの因縁を持つ相手でございました。
作中ではただ強さだけを求める狂者のように言われていましたが、個人的には結構好きなキャラクターですね! 自分の才能をもって周りの全てを押し潰そうとするその姿勢は、人としてはわりかし駄目かもしれないけれど、戦いに身を置く者としての一種の格好良さもあると思います。
そんな彼女とあいとの対局、痺れました。自分よりも遥かに格上の相手との勝負で、見事に開花していくあいの才能……最高でしょ……。
また、天衣の前に敗れ去っていく女流棋士たちや、同期の女流・香酔千と桂香の対局など、飛び抜けた才能を持たない女流棋士たちの姿には、あいや天衣を見るのとはまた違った熱さがありました。才能の有無は確かに存在する。越えられない壁はある。それでも戦い続ける強さを持った女性達……。彼女たちも、またあいや天衣と同じように輝いています。
八一が不自然に思うほど、いつになく勝ちにこだわったあい。その理由はあまりに単純なものでしたが、これはなんというか、師匠的に泣いちゃうわ。あいもそうだけど、天衣がずるい! これはずるい!
あいと天衣にも、そして八一にも、次の戦いが控えています。八一の対戦相手は遂にあの人。将棋の世界の絶対王者に、若き天才はどこまで食らいついていけるのか。次回は激アツ必至ですね。楽しみでなりません。


あいちゃんが実在していたらうっかり特別スポンサーになっちゃうところだった。危なかった。