まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

S級御曹司たちがゆく、異世界契約支配者生活

ストーリー
霊貨と呼ばれる貨幣で全てが買える、金と暴力の階層世界オーバードガイア。
その世界へ流れ着いたのは、『現代の三強』と称される3人の少年少女だった。
『最果ての辺境』を統べる精霊の少女・セルティに頼まれた3人は、その才能を存分に発揮していくが……。



異世界へと飛ばされた3人の超人的な少年少女が、圧倒的な才能で極貧ギルドを押し上げていく異世界バトルコメディ。
少々設定がごちゃごちゃしていてとっつきにくいところもありつつ、金と種族の差が全てを決めるはずのルールに則った「戦争」で、劣勢をあっさり覆し勝つ3人の姿はなかなか熱いですね。
完璧なようでいて色々と残念なところのある主人公が憎めなくてよかったです。


全ての物事における大天才・シン。暗殺者の家系に生まれた最強少女・冥夢。無敵のアイドル・凛紅。「現代の三強」として日本を騒がせる3人が、揃って異世界へ!
現代日本で暗殺者の家系ってなんだよとか、凛紅だけなんか浮いてない? とか、ツッコミどころはいくつかあれど、重要なのはこの3人が類稀な才能の持ち主だということ。
精霊にハーフエルフにドラフにハーピィ、リザードやドラゴン。多種多様な種族たちの中、一般的に能力に恵まれないとされている「雑種」のはぐれ人の3人が、純粋にその才能だけでこの異世界の常識を覆していくのは、単純に爽快感がありますね。まあ、異世界に飛んできて早々にドラゴンを倒しちゃったのにはちょっと引きましたけど……。
3人を出迎えた精霊の少女・セルティは重要なツッコミ役ですね! とにかく全ての言動がぶっ飛んでいる主人公たちなので、もはや彼女だけが救いっぽい感じ。


リザードの傭兵ギルドへの上納金で生活が困窮していたセルティたち。そんな状況を打破するため、シンは傭兵ギルドへ宣戦布告。
この世界での戦争はそのままの意味ではなく、ルールに則ったゲーム性のあるバトルになっていて、そのゲームにおいて一番の鍵を握るのが金。とにかく金を多く支払うことのできる陣営が圧倒的に有利なため、基本極貧なセルティたちは常に不利。
相手に有利なルールで種族の強さ的にも負けている、そんな勝ち目のないようにも思える劣勢の中、しかしそれを覆していくのが三強の才能。今回は特にシンのオールラウンダーな天才っぷりが光っていましたね。というかやっぱり、凛紅だけ才能の使いどころが限定されすぎていると思うんだけど気のせいかな……。
シンは何でもできる天才ですが、人間性が残念すぎて女子にモテないという最強の弱点があるせいで、妙な憎めなさがあってわりと好きなキャラクターでした。
とかいいつつセルティとはいい雰囲気になりつつあるんだけれど、どんなもんかな。とりあえず、3人の天才に率いられたこのギルドがどこまで羽ばたいていけるのか楽しみです。


イラストは蔓木鋼音さん。シンが非モテのくせに格好良いです。
あと凛紅よりも冥夢の方がオタク受けはよさそう(偏見)。


この混浴の条件はあまりに厳しすぎる。