まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

デボネア・リアル・エステート2 お給仕をする傭兵と、健気に笑う兎姫。

ストーリー
隣国・ゼータとの国境の森の地鎮を依頼されたデボネアたち。
“迷い魔力の結界”となっていたその森で、ルーウィンは兎の耳を生やした少女・ラビィニアと出会う。
彼女は、反乱によって国を追われたゼータの姫らしいのだが……。



元伝説の傭兵が金に汚い地上げ屋エルフの下僕として戦うファンタジーバトルアクション第2弾。
今回は小国の反乱を収めるついでに土地の権利ももらっちゃおうということで、デボネアさんの相変わらずの強欲エルフ根性に惚れぼれしちゃいますわ。
ラビィニアやテリーといった新ヒロインも登場して、それぞれなかなか魅力的なんだけれど、デボネアの要所要所でのデレが全部持っていっちゃうからこのエルフはほんとズルいなと思いました! ちくしょう可愛いんじゃ!


ルーウィンが偶然出会ったのは、軍の反乱によって国を追われたゼータ王国の姫・ラビィニア(ウサ耳&尻尾付き)。
その不遇な状況を助けてやりたいと思うルーウィンに対し、我らが主・デボネア様の目的はもちろん、金を搾り取れるだけ搾り取ること!
いやあさすがですわ。別にね、彼女にも優しさがないってわけじゃないんですが、通常営業ではとてもメインヒロインとは思えないクズっぷりです。主をどうにか丸め込んで上手く操るのも下僕の大事なお仕事というものですよ……。
そんな強欲エルフ様ですから、当然自分の持ち物たる下僕つまりリューインに手出しされるのは大嫌いなわけでして、いきなり現れた亡国の姫やら、ライバル業者の一人娘にしてデボネアとタメを張れるほどの守銭奴エルフ・テリーやら、新たな女が彼の側に次々に寄ってくるのも我慢ならないご様子。
特にテリーなどは、無理矢理ルーウィンと結婚までしようとしてくるもんだから大変です。やめて、私を巡って争わないで! なんて口を挟むヒマもないくらいに壮絶な魔法バトル……。ちょっと怖すぎ近寄りたくない。


紆余曲折の末、デボネア商会の仲間たち5人+ラビィニア1人で反乱軍を蹴散らすことに。いかな小国とはいえ500人の軍相手と一国の城相手にですよ。豪快すぎるわ!
今回は守るものがあったせいか、どうも本来の強さを発揮しきれなかった気もするリューイン。大事なところで仲間たちから助けられまくっててちょっとカッコ悪い。でもお互いに命を預け合う大切な仲間ができたんだなと思うと、それもそれで悪くないですね。
普段はひどい扱いばかりで、何かとムカつくことも多いデボネアも、こういうときはしっかりリューインの力になろうとするし、だからこそリューインも彼女の隣にいたいと思っている。
普段のヒロインとしての魅力はラビィニアに大きく突き放されているかもしれないけれど、ここぞという場面で最高に可愛くて、リューインとの絆を感じさせてくれるから、やっぱりデボネアから目が離せないんですよね。それは反則でしょ……もう下僕でいいや……。
とにかくデボネアとの今後が気になって仕方ないので、早く続きが読みたいです! 楽しみにしています。


アイニャのイラストがなかった悲しみ。