まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ヴァルハラの晩ご飯II 〜オオカミとベルセルクの野菜煮込み〜

ストーリー
ヴァルキューレ9姉妹の9女・ロスヴァイセから、巨大な狼に変身するという自らの神技について相談を受けるセイ。
しかし特訓に失敗したショックで、ロスヴァイセは引き篭ってしまう。
狼のことは狼に聞けと考えたセイは、伝説の魔狼“フェンリル”に会うべく、ブリュンヒルデたちとともに出発するのだが……。



北欧神話をネタに神々のドタバタな毎日と世界の危機を描く神話コメディ第2弾。
いやー安定して面白いですね。ある神話を下敷きに、ここまでエンタメ度高く仕上げられるのは見事というほかありません。
今回はロスヴァイセちゃんがとても無邪気可愛かったんだけれど、あれだね、なんでこの主人公はイノシシのくせにモテモテなんだろうね!


前回世界樹の倒壊の危機から世界を救ったちっちゃなイノシシのセイ君。
そのおかげかすっかり有名人になってしまった上、ヴァルキューレ姉妹との距離も近くなっていて羨ましい限りです。まあ、それでも夕飯の食材になる毎日は変わらないんですが……。
「マンナズ」のルーンでなぜかファフニールに変身できるセイ。そんな彼の変身能力を見込んだヴァルキューレの9女・ロスヴァイセから、巨大な狼に変身するという彼女自身の神技への助言を求められることに。
お試しの変身で暴走してしまったのは不運としか言えないのですが、そこで引きこもってしまったロスヴァイセのために、かの伝説の魔狼・フェンリルに会いに行こうと決めちゃうセイさんが凄い。さすがヴァルハラきってのイケメンイノシシやで……。
ということでフェンリルへの食事を持っていくというヴァルキューレに同行するセイですが、ここで新たな姉妹が登場。
実直な武人の5女・シュヴェルトライテも魅力的だけれど、個人的にはダウナー系サボり魔な6女・ヘルムヴィーゲがお気に入りです! 「なのじゃ」口調がいいですね。
しかし最後に持ってったのは復活したロスヴァイセちゃん! ついにイノシシが本格的にモテだしてしまったよ……ブリュンヒルデからもなんだかんだで惚れられてるっぽいし、このミニイノシシがヴァルキューレ姉妹を掌握する日も近いのかもしれない……。


終盤は、ヴァルハラに連れてこられた英雄の魂・エインヘリヤルたちにまつわるエピソード。
なんとなく不穏な臭いはしていたのですが、ここまでシリアスな展開になるとは思いませんでしたね。
セイにだけ許された類まれなる変身能力と、セイとエインヘリヤルに共通する復活の能力に秘められた謎。
何やらセイは、とんでもなく異質な存在のようで……。事件は一段落したものの、引き続き不穏さが続くストーリーの今後の展開が心配なところです。
次回どんなお話になるかは分かりませんが、楽しいエピソード多めだと嬉しいな。特に、残りのヴァルキューレ姉妹の活躍には期待しています!


匂いフェチのブリュンヒルデさまに抱っこされたいです!