まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

俺氏、異世界学園で『女子トイレの神』になる。

ストーリー
『扉』を通って地球にやってきた異世界人たちが通う『異世界連合学院』にいきなり転入することになった世良隼也。
ある日彼は、クラス委員長・アイリスによる召喚魔法の失敗がきっかけで、誰かに呼ばれると女子トイレに召喚されるようになってしまう。
彼を呼んだ生徒たちの悩みに答えているうち、女子トイレには悩みを聞いてくれる神様がいるという噂が立ってしまい……。



有翼人にオークに半魚人……生徒のほとんどが異世界人という学園に転入した主人公が、なぜか女子トイレに召喚されて神様扱い!
もちろん「女子トイレ」というワードに釣られたわけですが……ごほん、アホな設定のわりに、中身は結構ストレートな学園お悩み解決コメディでした。
ユニークなクラスメイトたちのお悩みはバラエティ豊かで楽しいのですけど、なんといってもメインヒロインの委員長が可愛くてよかったです。


異世界から地球にやってきた多種多様な異世界人たち。そんな彼らが一緒に通う学校に、現役首相の父の一声で転入することになった主人公・世良。
元々友達作りが苦手で、しかも周りのクラスメイトは異世界人ばかりで、完全にぼっち街道を突き進んでいたところ、なぜかいきなり女子トイレに召喚されてしまいます。
それ以来、「呼ばれると女子トイレに召喚されてしまう」という謎体質がついてしまった彼は、諸悪の元凶・クラス委員長のアイリスと一緒に、「女子トイレの神」として異世界人の生徒たちのお悩みを解決していくことになるわけですが……。
まず、なぜ女子トイレである必要があったのか(笑)。いや分かります、女性の皆様にはドン引かれるかもしれませんが、男子禁制の場所には、それだけでロマンがあるもんですよね!
ぶっちゃけ、女子トイレであることに大した物語上の意味は感じられませんでしたが! しかしなんだ、女子トイレに召喚されちゃう秘密をクラス一の美少女と共有していて、毎回トイレから出る手助けをしてもらう……それだけでドキドキしちゃうシチュエーションだから、良いんじゃないかな!


そんな委員長こと、有翼人種のアイリスは、とてもとても可愛らしいヒロインでした。完璧な優等生を装っているんだけれども実はドジっ子で、困ったことがあったら陰で神様を召喚しまくりで、頭の中はピンクな妄想でいっぱいだったりもして……無防備丸出し優等生ヒロイン、最高じゃないですか!
そんな彼女となし崩しで始めることになった「女子トイレの神様」業務に持ち込まれるのは、相談者こそ炎の精霊やエルフやオークといった異世界人ではありつつも、中身は好きな人とデートしたいとか、もっとモテたいとか、思春期の男女そのものなお悩みのアレコレ。
そんなお悩みに対応する中で、友達ができないという世良自身の悩みもいつの間にか好転していく、そんなほっこりするエピソードがいくつも詰まったお話でしたね。
最後の魔人の少女のお悩みだけは、アイリスも巻き込んでかなりシビアな展開にもつれ込みましたが、この出来事があったおかげでクラスの絆が確実に固まったはず。この賑やかなクラスメイトたちと共に、地球人として世良がどう成長していくのか、「女子トイレの神様」としての活躍や、アイリスとの関係も含め、今後が楽しみです。


イラストはもくふうさん。アイリスの表情がとても可愛く&色っぽくて素晴らしかったです。
彼女のアレな妄想をどんどんイラストにしていっていただきたい!


シャリシャリスライムはちょっとおいしそう。