まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

東京レイヴンズ14 EMPEROR.ADVENT

ストーリー
東京の霊相を一変させる大規模霊災テロ『天胄地府祭』の決行日まであと3日。
夏目たちは神降ろしを阻止しようと、あらゆる手を尽くして奔走する。
雑誌『月刊陰陽師』や、大物政治家である冬児の父親まで巻き込んでの勝負の一手は、ついに『十二神将』の間にも波紋を広げ……。



相馬と倉橋の悲願成就と、それを阻止せんと動く人々……これまで積み上げてきた全てが結集し、別れた登場人物たちも一堂に会する決戦の巻。
いやはや、凄かった……。毎回凄いと思ってますけど、今回はまた格別に濃密な1冊でしたね。
夏目や天海たちの意趣返しから激突、そして真相の判明まで、目まぐるしい展開に手に汗握りっぱなし。大興奮です。


抵抗の刻限となる、相馬の神降ろしの儀式まであとたったの3日。にも関わらず、倉橋は相も変わらずに陰陽庁を支配しているし、春虎はテロリスト扱いで連絡も取れず。
小暮との協力体制の可能性も失われた今、残された手は一発博打の情報公開のみ……。
時間の差し迫る中、「天海」の名と、そして冬児の意地の交渉が結んだその一手は、ようやくこの結果を出すことができました。
いや、本当にようやくですよね。今まであまりに不甲斐なかった弓削や山城に真実を見せてやったのは、久しぶりに小気味いい展開だったと思います。しかし三善さんはいつもながらいい味出してますよねえ。全てが明かされた後の宮地との対峙は実にクールに決まってました。このおっさんどもめ、格好良いんだから、まったく。
一方、春虎は密かに仕掛けを施していたり、鏡は鬼との再戦に向けてさらに力を磨いていたり、大友は恩師の前でひとり決意を語っていたり……強者たちもそれぞれ決戦に向けて準備をしています。これからこの全員が激突するんだと思ったら、テンションが上がってくるのをとても抑えられませんでした。


思わぬ反撃を喰らったものの、儀式を止めるにはやはり遅すぎて……。
神田明神の前で思う存分力を振るう最強の男・宮地と、夜光の生まれ変わり・春虎、そして飛車丸と角行鬼。力と力、技と技がぶつかり合う一大決戦が最高に熱い。
さらにそこに、倉橋の応援が駆けつけたり、封印を解いた鏡が乱入したりで、大陰陽師の大盤振る舞い状態。そしてもちろん、夏目たちも。
そんな中、大友はひとりだけ違ったやり方で攻めてきました。いやあ、実に彼らしいというか、裏舞台で隙を突くのが本当に上手い。さすがは黒子、といったところです。結果的には、こういうことになってしまったわけですが。
さて、激しい戦いの中で、春虎がひた隠しにしてきた、夏目の復活の秘密が明らかとなってしまいました。それもこんな形で……。
待ちに待った再会の時ではありますが、未だ危機的状況なのは変わらず。ここからクライマックスに向けて、どのように物語が駆け抜けていくのか。とにかく続きが待ち遠しすぎてたまりません。早く次巻を!!


鈴鹿の「バカ虎!」に癒やされる。