まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

英雄都市のバカども 〜王女と封鎖された英雄都市〜

ストーリー
かつて戦乱から街を守り切った英雄たちの末裔が住む辺境都市・リキュール。
毎日がお祭り騒ぎのこの街に暮らす何でも屋モルトは、ある日街角でガラの悪い男に絡まれている美少女と出会う。
ちょっとしたお礼目的で少女を助けたモルトだったが、彼女の正体は祖国を追われた王女様で……。



バカ騒ぎ大好きな街に逃げ込んできた王女を、おバカな住人たちがおバカに救う、ハイテンションファンタジー。
ちょっとばかし濃すぎるキャラクターの街の住人たちが、それぞれ魅力的でよかったですね。
あとヒロインの王女様がチョロすぎてエロかわいかったです。いいのか、ほんとにその男でいいのか?


英雄都市リキュールに住むのは、騒ぎがあれば飛んでいき、酒を飲んではボカスカやる、とにかくドタバタが大好きな人々。
普通の酒場のオヤジや、パン職人、60歳過ぎの大工の爺さん……その辺にいるオッサン連中が、いちいちぶっ飛んでて面白いです。
主人公・モルトは、一応何でも屋という名目で街にいるものの、仕事がなく金に飢えている貧乏青年。とりあえず頭の中は金と女みたいなダメっぷりだけれど、根は正直だから憎めない。
そんな彼の前に現れた謎の美少女・ディナ。ちょっくら助けてほんのお礼を……なんて気軽に彼女を助けたところから、一気に話のスケールがでかくなって盛り上がりましたね。
街の人々の暮らしになんて触れたことがない王女様。初めは困惑しつつも、明るくて変な街の人々に囲まれて次第に笑顔が増えていく彼女の姿に胸がほっこりしてきます。


ディナを追ってきた帝国の軍勢が、捜索のためにリキュールを閉鎖。これまで自治を守ってきた街が、こんな横暴を許していいのか。いいはずがない。
ディナも、彼らにとってはもう街の一員です。大切な仲間を差し出すようなマネを彼らがするはずもなく、徹底抗戦に打って出る「バカども」の気概が気持ちいいですね。
しかしこちらはあくまで街の住人。相手は一国の軍勢。まともに戦うわけにもいかない……といったところで、彼らの立てた計画はなんというか、行き当たりばったりで、雑で、ムチャクチャなんですけど、とても彼ららしいものでした。ああ、モルトもサシャと一緒にそこそこ格好良いところを見せてくれましたね。
さて、事件は一段落したものの、今後ディナがどうしていくのかは気になるところです。あと、表紙で一番目立っているのにイマイチ出番の少なかったサシャのことも深めてもらいたいし、次はそのあたりに期待ですね。


イラストはだぶ竜さん。キャラクターが賑やかで楽しいイラストでした。
ディナの胸元は破壊力高すぎです。


誰がなんと言おうと一番かわいいのはリッツ。