まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ロクでなし魔術講師と禁忌教典5

ストーリー
学習旅行後、アルザーノ魔術学院に招かれた特別講師レオス=クライトス。
彼はシスティーナの婚約者だと名乗り、来て早々彼女に求婚する。
システィーナは、咄嗟にグレンを言い訳に使って断ろうとするのだが……。



システィーナの婚約者がやってきて、彼女を巡ってグレンと決闘!
うおお、素晴らしかった! 2人の男がヒロインを奪い合う、こんなベタで華々しい恋模様がこの作品で見られるなんて!(グレンのが「恋」かどうかはビミョーなところだけど)
何より、なんだかんだで一番の教え子である彼女と、遂に肩を並べて戦う日が来たのかと思うと感慨深いです。


いきなり学院にやってきたかと思ったら、即システィーナに求婚をかましてきたイケメン貴族・レオス。
パッと見では物腰柔らか、講師としては一流だし、大貴族の御曹司。結婚相手としては決して悪くないようでいて……どうも思い込みが激しかったり、システィーナの夢を諦めさせようとしたりで、怪しい一面も垣間見せてくる男です。
それにシスティーナには、自分では気付いていないけれど、気になる相手がいます。
ということで彼女は、「なぜか」グレンと自分が恋人同士だということにして、求婚を切り抜けることに。
グレンもグレンで妙に乗り気になってしまって、勢いでシスティーナを賭けた決闘なんぞ挑んでしまうんだから、案外この師弟は似たもの同士なのかもしれません。
表向きは逆玉狙いを吹聴して、相変わらずのクズ野郎っぷりを周囲に見せつけるグレン。挙句システィーナ本人にまで疑われてしまうほどで、ほんと、素直じゃない奴ですけど……。その実、彼女の夢を守るために感情的になってやってしまったっていうんだから、まっすぐで泥臭くて、格好良い主人公だよなあとつくづく思います。


レオスの騒動と同時に浮上してきた、帝国を揺るがす一大事。
戦いの中で、システィーナはグレンが軍を抜けた理由に触れることになります。彼が妙にシスティーナのことを気にかける理由も。
グレンがいる場所は、システィーナのような子がいていい場所じゃない。そんな彼の主張と、人をあっさりと手にかける戦いぶりを見て、一度は怯えて逃げてしまったシスティーナですが……勇気を出して舞い戻って、あくまでグレンと一緒にいようとするシスティーナの一喝にシビれました。
相手は紛れもない帝国の暗部。文字通りに命懸け。そんな戦いに、あのグレンがシスティーナとタッグを組んで、一緒に挑もうとする。これで熱くならないわけがない!
あとがきにもありましたが、今回こそは、システィーナがメインヒロインだと胸を張って言える巻でしたね。さらに深まったグレンとシスティーナの絆に、これ以上を期待しちゃってもいいのかな? いいよね? 次巻も待ち遠しいです!


ルミアとリィエルのコンビがどんどん好きになってきました。