まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚しちゃうと絶体絶命!?〜

ストーリー
妖精王に取りつかれたパールからクロウの遺髪を見せられたフェル。
それでも夫は生きていると強がるフェルだが、実際の安否は不明なまま。
その上皇宮ではいつの間にかクロウが『いなくなった皇子』となり、パールとフェルが結婚したことになっていて……。



妖精王の計画によって、フェルが孤独なままどんどん窮地に追い込まれていく巻。
パールの姿をした妖精王に迫られて、今度こそまずい! というところで、旦那さまの神誓が効いてくるのはニクい演出ですわ!
周りがみんな操られていて、クロウの生死も分からない絶望的な状況で、ひとり黒龍城の人々を守るフェルさんのイケメンっぷりがさすがでした……。


クロウが生死不明の行方不明だったり、みんながクロウのことを忘れていたり、ケイがまさかの裏切りに走ったりと、さらに追いつめられていくフェル。もうやめてあげてよ……!
そんなピンチでも、クロウが生きていると信じて、妖精王に対峙し続けるフェルさん格好良すぎるでしょ。
一方、消えたことになっている旦那さまの方も、妻を助けるために必死に頑張っていました。
彼を助けに来た2人が意外すぎて思わず笑ってしまったのですが、色んな意味で心強いですね! 特に女性の方! なんだかんだで、クロウとこの人の刺々しすぎる会話がかなり好きなんです。


お互いがお互いのために命を懸けるヒロインとヒーロー。うーん、愛だね。これは愛だよ……。
それぞれの戦いの中で、ふとした時に節約思考になっているクロウとか、ナチュラルに黒さが出てきたフェルとか、だんだんパートナーに似た部分も出てきたみたいで、ニヤニヤしてしまいました。
終盤の、フェルたちによる一世一代の大勝負にはグッときましたね。城の住人たちの記憶に訴えかける方法というのが、「絶対あの場面だ!」と思った予想ピシャリで嬉しかったです。
そんなフェルと並ぶくらい素敵だったのがミゼ。彼女も、大切な人のために命を懸けたひとりです。まったく、愛の溢れた主従ばかりじゃないですか!
みんなの頑張りで、なんとか妖精王に一矢報いた一同ですが、彼の策略が止まったわけではありません。
来るワルプルギスに向けて彼が何を狙ってくるのか。フェルとクロウがどう立ち向かっていくのか。お話もいよいよ佳境ということで、続きが楽しみでなりません。


キリヤさま登場のイラストが完全にホラーなんですけど。