まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

魔道書作家になろう! >ではダンジョンへ取材に行きますか?(はい/いいえ)

ストーリー
雷神魔道書大賞<大賞>を受賞し、晴れて念願の魔道書作家デビューを果たしたアジロ。
彼についた担当編集は、かつて魔王を倒した元勇者の美少女、ルビだった。
モンスターに目がないルビに引きずられ、魔道書制作の取材と称してはダンジョンへ潜るハメになるアジロだが……。



新人賞でデビューした魔道書作家の主人公が、美少女担当編集に連れられて取材と称した冒険に出つつ、新たな魔道書を作っていくファンタジーコメディ。
これは楽しい。毎回どんな魔道書ができあがるのか、ワクワクしながら読みました。
読み口も非常に軽くてさらっといけるし、何より無防備美少女編集者のヒロインが可愛すぎる!


魔王が勇者によって退治され5年。世は空前の魔道書ブーム。魔道書レーベルが毎月50冊の魔道書を出し、新人賞を募集して新人作家発掘をしている、そんなファンタジー世界が舞台。
第四回雷神魔道書大賞を受賞したアジロは、担当についた美少女編集者・ルビと共に、応募作『水属性退治がはかどる! 電撃の魔法』の刊行を目指し「取材」へ赴きます。
それは、実際のモンスターに対して魔道書の魔法を使ってみること! アジロはいまいち乗り気でないみたいですが、まあ大事なことですよね。戦闘用の魔法なのに、モンスターに効かなかったら意味がありませんものね。
実は元勇者というルビに守られながらも、あれこれ呪文を変えてはモンスターにぶつけてみる試行錯誤が楽しかったです。
自身も新人編集というルビは、無垢で無邪気で無防備で、まっすぐに好意をぶつけてくる実に可愛らしいヒロインでした。悪い男に引っかかってしまうんじゃないかと心配になってしまう。とりあえず彼女は、自分が異性からどう見られているのか早く気付くべきですね! もちろん勇者ですから、いざという時には斬ればいい話なんですけど(怖い)。


デビュー作の電撃魔法に続いて、混乱回復魔術、害虫駆除魔法、ボス戦用攻撃魔術と、次々に新しい魔法と魔道書を生み出していくアジロとルビ。
害虫駆除魔法の取材は特に面白かったですね。何万匹もの「軍隊イナゴ」を一気に、しかも作物には害を与えずに駆除するにはどうしたらいいのか。どういう属性の魔法を、どれくらいの格の精霊に呼びかけて行使するか。想像がふくらみます!
そしてもちろん、作家と編集だけでは本は完成しません。イラストレーター(オーク族)と校閲(エルフ)も登場して、色とりどりのチームになりました。
校閲のクーチェさんは結構好きなキャラクターです。普段は手抜きに厳しいお姉さん風でありつつ、夜は酒を飲んで大暴れするギャップが素敵。
締め切りに追われたり、予想外の事故で進行がストップしたり、完成直前で全てが無に帰したりと、本当の作家さんが読んだら胃が痛くなりそうなアレコレもありつつ、ひとつひとつ魔道書を作り上げていくのが楽しいストーリーでした。
2巻も執筆中ということで、次はどんな魔道書が飛び出すのか楽しみですね。アジロとルビのイチャイチャにも期待します!


イラストはこちもさん。なんといってもルビが魅力的!
うーんエロい(おっぱいが)。


あ、ネイムさんのサークル並びます。