まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

謎好き乙女と壊れた正義

謎好き乙女と壊れた正義 (新潮文庫nex)

謎好き乙女と壊れた正義 (新潮文庫nex)

ストーリー
学祭実行委員による予算の虚偽報告を発見した生徒会長から、学園祭の調査を依頼された春一。
早伊原樹里と一緒に学園祭を回りつつ、各模擬店の請求書を集めることに。
その道中、ふたりは相次いで学園祭の“謎”に遭遇、学祭実行委員長・篠丸の暗躍を知る……。



事件巻き込まれ体質でありながら他人の青春に深く関わらない主義の主人公と、謎を愛してやまない小悪魔後輩少女が織りなす学園青春ミステリー第2弾。
今回の舞台は学園祭! いくつもの小さな謎がひとつの事実を浮かび上がらせていく構成が見事でした。
謎を解いているのに関わりを避ける主人公の態度にはモヤモヤさせられましたが……ラストは「やられた!」と叫んでしまいました。


学園祭。青春まっただ中の高校生たちが1日の熱狂に酔いしれるお祭り騒ぎ。
男女さまざまな生徒がそれぞれの思惑を持って、まあそれはたいていが恋愛関係なのですが、そんな風にお祭りを楽しむ一方で、我らが早伊原さんは今日も元気に謎探しの旅。
いやはや、早伊原は本当に可愛いですよね! 春一にだけ見せてくれる毒がたまりません。春一が彼女を邪険に扱えるのが不思議なくらいで……まあ、彼にとっては天敵みたいなもんなんですけど。
表面上はにこやかで、でも中身は刺々しいふたりのやりとりは、なんだかんだでお似合いカップルのようでニヤニヤさせてくれました。
あとこれ完全に学園祭デートじゃないですか! しかも後輩の美少女から誘われてだなんて、なんて幸せなやつなんだ!


早伊原に結局丸め込まれて、イヤイヤながらも学園祭に潜む謎に挑んでいく春一。
開会式で使う紙ふぶきの謎、学校中に書かれたラクガキの謎、春一のクラスのシフトが変わっていた謎。
次第に見えてくる、学祭実行委員長の篠丸先輩や、同級生の智世、春一の友人(イケメン)の浅田の関わり。
謎は解けているのに、人の青春を邪魔したくないからという理由で自分が泥をかぶってしまう春一のやり方は、やっぱり納得しがたいものがありますね。そりゃ、早伊原も拗ねるというものです。
うだうだ考えるのも、まあそれはそれで青春らしいけれど。せっかく若いんだから、ぶつかるときは思いきりぶつかってやらなくちゃ!
ということで、待望の解答パートへたどり着いたわけですが……だーまーさーれーたー!
なんでだろう、見事にだまされてしまった! そうなると話が全部変わってきちゃうな……うーんもう1回読んでくる!(笑)


それにしても浅田はモテすぎでは。