まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

まわせっ! 課金戦乙女のヒルデさん

まわせっ! 課金戦乙女のヒルデさん (富士見ファンタジア文庫)

まわせっ! 課金戦乙女のヒルデさん (富士見ファンタジア文庫)

ストーリー
一人暮らしの高校生・安沢潤矢の元に突如現れた戦乙女のブリュンヒルデ
使命遂行のため潤矢と同居するヒルデだが、オタク文化に興味津々の彼女は大人気ソーシャルゲーム『アイグラ』にのめり込んでしまう。
そしてヒルデは、潤矢の生活費を圧迫しつつ廃課金兵への道のりを歩み始めるのだった……。



アースガルドから舞い降りた戦乙女=ヴァルキリーのヒロインが、ソシャゲにハマって課金兵へと成長していくソシャゲ×同居×ラブコメディ。
ソシャゲ廃課金系ヴァルキリー。なんだこの悪魔合体みたいなノリのメインヒロインは……。
ダメ人間まっしぐらな感じではありつつも、ソシャゲに依存しまくる残念っぷりが妙に庇護欲をそそってきて、まあなんだ、美少女って得ですな!


オーディンから賜った剣と鎧をアキバのショップに売っぱらい、SRを求めて夜な夜なガチャを回し、結局出ずに闇堕ちしてエロい格好で主人公に迫る……「いや、戦乙女としてそれはどうなの」感満載のメインヒロイン・ヒルデさん。
一応ヴァン神族を討伐するという役目を背負って来ているはずなのに、使命そっちのけでスマホをタッチし続けるその姿は一周回って可愛らしい。
ソシャゲだけでなく、ネットに没入してコアなアニメネタに走りまくっていたりもして、もうなんかヴァルキリー要素がサークレットくらいしか残ってません。
彼女の仲間のはずのグー姉とスクルドも、かたやワンオペ牛丼屋でバイト戦士に、かたやアキバで摘発されそうな感じのバイトに、とそれぞれ勤しんでいて、アニメにもやたら詳しくて、神話の乙女たちも現代日本にやってきたらみんなこうなっちゃうのかな、とちょっと切ない気持ちになりました。それにしてもヒルデがダントツでアレなんですけど。
ちなみに私はソシャゲを全くやらないのですが、まあ、ガチャはね。回してると切りがないですよね。それくらいは分かるよ、分かるけどね……。


オーディンからの情報により、ソシャゲ『アイグラ』の運営元が敵の本拠だと判明。ずいぶん流行に敏感な神族である。
ともあれ、敵の思惑を潰すために次のイベントで1位にならなければ! 課金して特攻持ちのSRを集めなければ!
イベントで1位を取るために必要な資金。それを集めるためにヴァルキリーの分身の術まで駆使して荒稼ぎ。そして不眠不休の地獄のイベントが始まる……!
よく知らないのですが、ソシャゲのイベントってこんなに戦略的にやってるもんなんですか!? 怖い。トップランカー廃課金勢怖い。
ヴァルキリーの戦い方としてはこれ以上ないくらい地味な絵面でしたけど、これが現代版戦乙女ということでひとつ。


イラストはやむ茶さん。ヒロインがとても可愛らしく、時にエロく描かれていてよかったです。
あの見開きは卑怯。


そして放置される千奈さん(涙)。