まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか8

ストーリー
軍神アレス率いる王国軍が迷宮都市へと攻め寄せるも、強すぎる都市冒険者たちのおかげで市壁の中は平穏そのもの。
新たに春姫を加えたヘスティア・ファミリアは、順調に到達階層を増やしていた。
そんな中、タケミカヅチの降臨祭が近づいていることに気付いた命は、愛する神のために贈り物をしようとするのだが……。



今回もダンジョン成分ほとんどなし! それどころかバトルもなし! の日常編。なのに500ページオーバーとかどういうことなんだぜ……!
各キャラクターたちの恋愛を主軸に据えたお話は、ニヤニヤしたりしんみりしたりでそれぞれ楽しかったです。
ベル君がモテまくりなのは毎度のこととして、命やヴェルフの「好きな人」はなかなか意外なお相手でしたね。


命、リリ、ヴェルフ、エイナさん、シル、そしてヘスティアと、表紙の6人を中心に、迷宮都市での恋愛事情が描かれました。
ひとつ大きなテーマとしてあったのが、神と人との恋ですね。
ヘスティアは言わずもがなですけど、他の神様達も意外と「子どもたち」に恋をしているようでした。またその逆も然り。
命のタケミカヅチへの思いや、ヴェルフのヘファイストスへの思い(!)は、とても切実で純粋で、あまりに遠いものに対する憧れも含んでいて、美しい感情に思えました。
神様からは、必ずしもその思いに対する見返りが得られないあたり、切ないのですが……。でもヘファイストスは満更でもない感じ? 何このノロケっぷり、ちょっと可愛いんですけど!


今回の中で一番のお気に入りはリリ編です。まさかあの勇者が、リリに求婚してくるだなんて!
まさかの展開に慌てふためくベル君や、都市を代表する勇者の意外な一面、一度は落ち込みながらも最後にはきっちりベル君をおちょくるリリの可愛さなど、見どころたっぷりのお話でした。リリはほんといい女やで……。
【リアリス・フレーゼ】のことがベル君以外の団員に周知されたことは、地味に大きな変化ではないでしょうか。みんながアイズを見る目も変わってきそうですね。
さて、そのアイズ様。2巻連続で出番なしかなと残念に思っていたのですが、ラストのヘスティア編で無事に顔を見せてくれました。うーん、いつ見ても安定の可愛さ!
今はヘスティアが一方的に彼女をライバル視しているだけですが、アイズ様もいつか、ベル君に対してそういう気持ちを抱くような日が来るのでしょうか? 距離は確実に縮まっているだけに、どうしても期待しちゃいますね。
あとがきによれば、今巻で第2部完とのこと。色々と激動の第2部でしたが、次回以降の第3部ではどんな冒険が待ち受けているのでしょうか。ああ、続きが待ちきれない!


ほとんど腕しか見えないのに、扉絵のフレイヤ様のオーラがハンパない。