まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

封神演戯

封神演戯    (ダッシュエックス文庫)

封神演戯    (ダッシュエックス文庫)

ストーリー
平行世界の歴史を管理する組織「崑崙」に所属する仙人・太公望
有給を取り続けてまったく仕事をせずにいた太公望だが、ある日遂に長年の有給を使いきってしまう。
崑崙へ呼び出された太公望は、妖しい仙女妲己によって歴史が歪められようとしている国「殷」へと派遣されるのだが……



楊戩も哪吒も太上老君も美少女に! ほぼニートだった自堕落仙人の太公望が頼りになる仲間たちと共に歴史改竄者どもと戦う新訳・封神演義
楽しかった! 見知った『封神演義』のあのキャラやこのキャラが、美少女化して宝貝をブンブン振り回しているだけでテンションが上がってしまいます。
オリジナルの展開を多分に取り入れつつも、元のエピソードを積極的に散りばめてもいて、原典(もしくはかの漫画)を読んでいると倍は楽しめる作品だったかなと思います。


太公望をはじめとした数多くの仙人たち。今のところ、男は太公望元始天尊だけで、残りはみんな女の子になってました。
変身が得意な天才仙人・楊戩はツンデレツインテ娘に! 全身宝貝でできた人間兵器・哪吒は無表情な片言娘に! それぞれ可愛くヒロイン化されていますが、元ネタを思い出すと「あー、なんかわかる」という感じのキャラ付けになっていて面白いですね。
笑えるのが四不像。見た目も口調も思いっきり例の漫画版のオマージュになっていて、思わずニヤリとしてしまいました。
個人的に一押しなのは太上老君です! 実力は最強クラスなのに太公望と一緒にずっと引きこもってゲームしてたいお姉さんとか最高じゃないですか。ああ、太上老君ちゃんと自堕落にニート生活したい……千年くらい……。


封神演義』といえば、仙人の不思議道具・宝貝を使ったド派手なバトル! 宝貝同士や、宝貝と仙人の相性なんかもあって、とにかくバラエティ豊かで楽しい。
そして宝貝バトルといえばやっぱり哪吒ですよね! 哪吒がくればとりあえず勝てるんじゃないか、くらいの圧倒的な火力が魅力的です。今作では、まだそこまで本領を発揮してはいませんでしたが……。
そんな頼れる部下の傍ら、基本面倒くさがりながら、締めるところは意外ときっちり締めてくる主人公・太公望
でも敵は老獪な狐仙人の妲己。思いっきり作戦の裏をかかれたり、直接人間に手を出すことができないという仙人の規則を利用してきたりと、なかなかに手強い相手でした。享楽主義者のわりに油断ならない。まあ最初からラスボスに挑んで勝てるわけもないのですが。
まだ真の実力を隠している様子の太公望。その天才ぶりがいつどのように表に出てくるのか、今から楽しみです。


イラストはむつみまさとさん。美少女仙人たちがみんな可愛い!
特に楊戩が素晴らしいですね。強気な少女の涙目は世界の宝。


宝貝の中でも【乾坤圏】が特に好き。