まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ハイスクール・ローレライ 運命のひと耳惚れ

ストーリー
生まれつき人一倍耳が良かったせいで不遇な中学校生活を過ごしてきた田野音好。
彼は高校入学の初日、どこからともなく聞こえてきた美声に“ひと耳惚れ”をしてしまう。
その声の主と思われる美少女を追って、朗読部への入部を即決した音好だったが……。



第16回えんため大賞<優秀賞>受賞作品。
「耳」に絶対の自信を持つ主人公が周りの生徒たちのお悩みを解決していく音利き謎解きラブコメディ。
面白かったです! 各章でお悩みをひとつ解決していく形式なんですが、ワンエピソードごとにお気楽に読めて飽きがきませんでした。
なんといっても方言ヒロイン・二宮さんが超絶かわいい! 方言女子好き必携の書といえる! かも!


主人公・音好は「耳が良い」という特徴を持った高校生なのですが、この聴覚というのが、話者が嘘をついているか否か、好意を抱いているか否か、といったことまで聞いただけで分かってしまうという、もはや異能に近いレベルの特殊技能。
そんな彼が声フェチになってしまうのは、もはや運命といえましょう。声に恋するその姿はパッと見変態なんですが、ぶっちゃけ私も声フェチなので、妙に共感できるところがあって真顔。いや、耳に心地よい声ってあるじゃないですか……。
彼の“ひと耳惚れ”の結末は、あまりにあっけなくて笑ってしまいました。まあ、これもひとつの出会いということで。


ちょっとした音をヒントに、学園内で起こるお悩みやちょっとした事件を解決に導いていく音好。
謎解き自体も楽しいんですが、それ以上に、解決のために個性豊かなメンバーと走り回ること自体がワクワクして、とても楽しかったです。
特に親友・ユウくんは、出会いこそ波乱だったものの、イケメンなのに実にいいヤツで気に入りました。いちいち彼の声に反応する音好がまた面白い。
そしてかわいいかわいい二宮さん。標準語の勉強をするために朗読部に入って、休み時間はイントネーションの教材を聞いて……って一生懸命に頑張る姿も健気で素敵ですが、何よりその方言の破壊力が凄い! か、かわいい。私も「だんだん」って言われたい。「ありがとう」の後に首かしげられたい。
他の朗読部メンバーも愉快なキャラクターが揃っていましたが、まだ掘り下げが少ないかな。思えば朗読部の活動もほとんどやっていませんから、今後に期待ですね。稲穂先輩とか、絶対何かおいしいものを隠し持っているキャラだと思います!
もちろん、二宮さんとの恋の発展もね! 次巻が楽しみでなりません。


イラストは三月さん。女の子がふわっふわで愛らしく描かれていました。
チューさんの「なんか憎めない先輩」って感じのキャラデザも好きです。


アニメ化したときのユウくんの声優を妄想して楽しむ。