まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

アプリコット・レッド

アプリコットレッド (ダッシュエックス文庫)

アプリコットレッド (ダッシュエックス文庫)

ストーリー
芸術の名門ミューズ学院の普通科に通う少年・沖本小町。
彼は芸術学校に通いながらも不器用でクリエイターになれない自分に自身が持てずにいた。
そんなある日、小町は美術科2年生の変態ゴスロリ少女・筑波夕莉と出会い……。



第13回スーパーダッシュ小説新人賞<優秀賞>受賞作品。
芸術学校に通うクリエイターたちが、自分の芸術をアバター化した異能力「エゴドール」で戦いを繰り広げるアートバトルアクション。
あらすじからは全く予想していなかったのですが、なんと主人公が女装男子でした。ということでこの表紙は男ピンです! 誰がなんといおうと男ピン表紙です!
奇人変人ばかりのキャラクターに囲まれて、にぎやかで楽しい作品でした。


あらゆるアートが一堂に会するインターネットサイト「ミュージアム」。そのサイト内でのごく一部のトップランカーは、その芸才を異能として用いる資格を得ることができる!
音楽にイラスト、小説など、違うジャンルのクリエイターたちが、人に与える感動の力を共通の武力として戦っていくのが楽しいですね。
別に相手を潰そうというのではなくて、対戦相手に感動を与えたら勝ちというのが、なんというか平和的でほっこりします。
そんな中、主人公の小町は自らを表現するアートを持たず、クリエイターになることができずにいる少女……もとい少年。
女装するだけならともかく、完全に女子として学校に通っているあたりかなり強力な変態ですが、なかなか憎めないヤツでした。女の子としてネット生放送しては自己嫌悪に陥るところとか。いやわかる。手段がどうでも、目立つのって気持ちいいよね……。


小町の周囲なぜか集まってくる、トップクリエイターの少女たち。
樹里はともかく、夕莉や椿姫は完全に変人ですね! クリエイターにとっては変人というのも一種のステータスかもしれませんが、美少女じゃなかったら絶対に近づきたくないです。でも美少女だから許す。
なんだかんだ言ってザ・お嬢様という感じの夕莉が可愛くて好きですが、これはラブコメに発展……するのでしょうか?
一種のクリエイターとして目覚めた小町の今後も含め、次巻以降に期待しておきます。


イラストは閏月戈さん。いつも思うのですが、一枚絵のオーラが抜群で見入ってしまいますね。
特にモノクロが素晴らしいと思います。今回のお気に入りはデカメロン


はっ、イズミが裏ボス説……?