まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

恋すると死んじゃう彼女に愛されすぎると俺が死ぬ

恋すると死んじゃう彼女に愛されすぎると俺が死ぬ (一迅社文庫)

恋すると死んじゃう彼女に愛されすぎると俺が死ぬ (一迅社文庫)

ストーリー
ある日校内放送で保健室へと呼び出された平凡な高校生の杉浦修士
そこには学園のアイドルにしてお嬢様な天之川美月が寝込んでおり、修士はいきなり彼女を抱き締めろと指示される。
美月は恋をすると発症し、好きな相手から愛されていると感じなければ死んでしまう奇病「恋死病」に冒されているのだった……。



一迅社文庫大賞2014<金賞>受賞作品。
愛されていなければ死んでしまうヒロインと、女の子と接触しすぎると死んでしまう主人公が織り成すハチャメチャラブコメディ。
思いっきりアホなラブコメで楽しかったです。なんというか突き抜けてる。ラブアンテナがきゅんきゅんしてるのとか言い出しちゃうヒロインなにもんだよ……。
最初から爆速でデレるヒロインもいいものですね。まあだいぶ電波なんですけど。


「恋死病」を患ったヒロインと、「女死病」に罹った主人公。
お付き合いの始まりは一応恋死病の治療のためという名目だったけれど、学園一の美少女からこれだけ好き好き言われていればそりゃコロッと行っちゃうというものです。
修士は恋死病のことを知っているけれども、美月の方は女死病のことを知らないというのがミソ。
もし彼女が女死病のことを知ってしまえば身を引こうとしてしまうから、彼女に抱きつかれるたびに吐血しながらも必死(文字通りの意味で)でそれを隠し通そうとする修士がなんというか健気でした。


ふたりのイチャイチャっぷりは非常にカオス! というか主に天之川家がカオス!
付き合った瞬間からデレまくりの美月と、金に物を言わせてふたりの恋を変な方向から応援しまくるご両親。
特に美月は、本当に学園のアイドルだったのか疑問に思えてくるくらいの変人っぷりでした。なんか魔法とか使えちゃうし! ああ、恋は人をおかしくするのだなあ……。
しかしどんなに変な子だろうが、可愛いもんは可愛いんだからやっぱり美少女ってずるい。でももうちょっと恥じらいというものを覚えてもいいと思います。
さて、お話自体はこの1冊で終わっても不思議ではないような終わり方でしたが、続きはあるのでしょうか。個人的には、ここからのふたりの恋愛模様こそ見てみたいので、次巻があるといいな。待ってます。


イラストはもっつん*さん。ふわふわお嬢様な美月が可愛らしく描かれていました。
しかしあの独創的すぎるパンツのイラストがなかったのは惜しい!


いやあ、やっぱりラブアンテナがきゅんきゅんはないわ……。