まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!小豆エンド

ストーリー
桜井と恋ヶ崎と一緒に、新しい部活を作ることにした柏田。
しかしパソコン室を利用する権利を巡って、同じく新設の「ボカロ音楽研究部」と対立してしまう。
部室獲得のため、動画サイトでの再生数勝負に挑む柏田たちだが……。



本編とはパラレルワールドで、小豆ちゃんをメインヒロインに据えた外伝。
個人的には小説でルート分岐のようなことをされるのは好きではないので、ちょっと読むのが不安だったのですが、分岐というよりは完全に別のストーリーだったので、気軽に楽しく読むことができました。
内容はいつものメンバーとオタクな部活を作って遊ぶというもので、本城さんや漫研のメンバーといった、本編で描かれていないキャラクターたちとのやりとりが良かったです。特に本城さんは実においしいキャラで、本編で登場しなかったのがもったいないくらいですね。


今回のヒロインは小豆ちゃんオンリーということで、長谷川のことなどはすっかり忘れてしまっている柏田がひどい(笑)。
柏田、小豆ちゃん、桃、鈴木、そして本城さんの5人で作ったオタク文化を研究する部活「エンタメ部」。
動画サイトに実況動画を上げたり、「愛してるよゲーム」で部長を決めたり、コスプレコンテストに参加したり、漫画を描いたり、聖地巡礼したり、王様ゲームをしたり。
もう完全にオタクを楽しみつつリア充になっていて、本のタイトルを2、3回見返しました。楽しそうにイチャイチャしやがって、ちくしょう。
恋ヶ崎が苦手としていた女の子・本城さんは、高飛車お嬢様タイプのヒロインでした。最初こそ他の面々とはギクシャクしていたものの、いつの間にか普通に仲間として溶け込んでいて微笑ましかったです。


いやあしかし、やっぱり小豆ちゃんは可愛いですね。本編でも結構なヒロイン力を見せつけていましたが、この外伝では文字通り敵なしですからやりたい放題やってます。
実際お似合いのカップルではありますよね。柏田くらい鈍い相手には、彼女みたいに押せ押せなくらいがちょうどよいのかもしれません。
さて、わざわざ「小豆エンド」などという外伝を出したということは、本編では少なくともそうではないんだろうな、というのは予想の付くところですけれども。
次巻で最終巻ということで、可能性のあるヒロインは、まあ恋ヶ崎と長谷川ということになるのでしょう。
本命はあちらだと思うんですが、いやしかし大穴でこちらという線も……。いやはや、どちらに転んでも楽しくて切ないエンディングになりそうですね。
大好きなシリーズのラストですから、どんな形にしろ、みんなが笑顔で終われるようなものだったらいいなと期待しつつ、じっくり待つことにいたします。


女の子同士のポッキーゲームなるものが実在する世界に生まれたかった。