まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ロストウィッチ・ブライドマジカル2

ストーリー
雉子野中学で密かに噂となっているおまじない。
それは、呪いたい相手の名前を書いた紙と硝子玉を一緒に埋めておくと、『硝子玉の魔女』がそいつを不幸にしてくれる、というものだった。
噂を知った水奈たちはそこに『魔女』の影を見、調査を開始するのだが……。



闇夜に魔法少女たちが翔けるダークバトルアクション第2弾。
今回は水奈たちの仲間でありながら1巻では名前しか出てこなかった栞が大活躍するお話でした。
やっていること自体は女の子たちの命を懸けた戦いですから、決して気分の良いものではないのですが、水奈や栞が圧倒的な戦闘力で相手側の魔法少女を打ち負かしていくさまには、やっぱりグッと来てしまいますね。


栞様が魅力的。思わず敬称付けて呼びたくなっちゃうくらい魅力的。
見た目は金髪碧眼の9歳児だけれど、やたら大人びた思考や口調や、どこぞの悪魔みたいな闇のオーラから、ただものじゃない雰囲気がぷんぷん漂ってきます。もちろん魔法少女だし、ただものじゃないんですけど、他の魔法少女ともどこかがずれている感じ。
外見がいちばん弱そうなキャラが実は最強というパターン、大好きなんですよ。それを期待して読んでいたら、本当にとんでもないものが出てきて驚きました。バグみたいな魔法ですねこれ。まあ、最強ということでいえばやっぱり水奈の方なんでしょうけど。
戦いの中では冷徹で躊躇なく敵を攻撃するバイオレンス幼女な栞様ですが、普段は意外と子供らしい一面もあったり。
特に友達の楼子のことは、一見そっけなく接しているようで、心から大切に思っているのだろうということが伝わってきます。今回も彼女が関わってきたからこそ、これだけ本気になったのでしょう。
姉の耶麻音とも、表向きは反発しながら確かな絆があるようだし、『カヴン』メンバーとも、ちょこちょこ胸がほっこりするようなやりとりがありました。育ってきた環境のせいで心を許せる相手も少ないだろうし、実は人一倍、心のつながりに敏感な子なのかもしれません。


水奈と栞コンビの戦いぶりが気持ちよすぎて震える。特に、調子付いてこちらを侮るような発言をかましてくる相手に、その力を見せつける瞬間。ゾクゾクしちゃいますね!
魔法少女同士のバトルは、1対1ではどうしても魔法の相性が影響してしまうけれど、チーム同士ならコンビネーション次第。ふたりの秘策に手に汗握りました。
それにしても、この『カヴン』だけ戦力の充実っぷりが凄いですよね。何か理由でもあるんでしょうか……?
最後に、真の最強ともいうべきラスボス(?)も満を持して登場し、いよいよストーリーが盛り上がってきたのを感じます。
否応なしに戦いに巻き込まれる水奈たちは、自分と身の回りの人たちの平穏を守り抜くことができるのでしょうか。次巻も楽しみです。


声に出して読みたい必殺技が多すぎて封印したはずの呪いの右腕がうずいちゃって困る。