まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール

ストーリー
大白日帝国皇帝暗殺の野望を胸に秘め、少女に扮して後宮の一員となった少年・海功。
新入り宮女として勤務しはじめた彼が見たものは、美少女たちが野球で皇帝の寵愛を争っている姿だった。
元々野球少年であった海功もハレムリーグに巻き込まれていき……。



「野球もの」にして、文字通りの「ハーレムもの」。いやはや、なんとニッチな組み合わせでしょうか。
絶対これタイトルを思いついちゃったから試しに書いてみたんだろ、と突っ込みたくなるのだけれど、内容としてはしっかり野球とハーレムを描いているのだから恐れ入る。
爽やかにエロい後宮の美少女たちとのドキドキの日々と、青春まっしぐらという感じの熱いスポーツ魂が楽しめる満足度の高い1冊でした。


後宮の中ですから、宦官たちを除けば男は主人公のカユクだけ。
女装は当然として声でバレるんじゃないかと思ったら、主人公なのに喋らせないという荒業で解決。凄い。
24時間、お風呂のときも寝るときも美少女に囲まれる生活。女の園だからこそ無防備にさらけ出されるあんなところやこんなところを間近で見て、たびたび興奮しつつも必死に男の部分を隠し通すカユクの姿が、コミカルかつスリリングで面白かったです。
少女たちの体の描写の仕方がまた実にエロいんですよね! 妙に瑞々しくて生々しくてフェティシズムに溢れていて、いやあ、これはカユクさんも大変ですわ。
後宮での細々とした仕事の場面や、各殿舎ごとの争いの様子や、宮女たちの身分の差。もしかして本当にこんなハーレムがあったのではないか(ただし野球は除く)と思ってしまうような、説得力のある描かれ方をしていて良かったですね。


作中の野球は3イニング制。イニングごとに勝敗を決めて、2勝したら勝ちというものでした。
試合が短くて済む分、わりとゆったりめのペースでしっかりと描かれていたと思います。野次やブーイングもバンバン飛び交っていて、ピリピリした雰囲気がよく伝わってきており、臨場感がありましたね。
私は野球には詳しくないですけれども、やっぱりスポーツでにっくき敵チームに打ち勝つ展開は燃えます。女の子ばかりだから華やかですしね!


うっかり忘れそうになりますが、そもそも皇帝の暗殺を企んで後宮に入ってきたカユク。現状はとてもそんなレベルでなく、ただ必死に上へ行くために頑張るばかり。いつか彼が悲願を達成できるのかどうか、今後の展開が楽しみなところです。
それから、これからもカユクと一緒に行動することになりそうなミシャとジラとの関係も気になりますね。
光の君のこともあるし、ずっとカユクが男を隠せるとは思えないのですが、さてどうなることやら。ともかく次巻に期待です。


イラストはwingheartさん。透明感のあるイラストが作品によく合っていると思います。
お気に入りはおっぱいを寄せているミシャ! 表情がたまりません。


一度キャラ名を漢字で書こうとして変換が面倒くさすぎて諦めました。