まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

最近の戦記ファンタジーラノベを軽く紹介する

最近とみに増えてきた戦記ファンタジー。「どれ読んだらいいのさ!」という方のために各作品の特徴を簡単にご紹介。
便乗記事です。
青山尚之さんのファンタジー戦記ラノベ紹介&菊地さんのファンタジー戦記ラノベ語り - Togetterまとめ
こちらもご参考に。
いま話題のファンタジーを紹介するよ!: ラノベ365日


天鏡のアルデラミン』(電撃文庫・現在4巻)
主人公昼寝が好きな怠け者の少年軍人イクタ。科学の徒でもある。後に名将と呼ばれることになることが初めから予告されている。
イクタだけでなく、『騎士団』と呼ばれる5人の少年少女のそれぞれの活躍・成長が見られるのが魅力。
2巻を筆頭に戦争描写はかなりシリアスであり、重く辛い戦いの中を必死に生き抜く主人公たちの姿が目に焼き付く。


覇剣の皇姫アルティーナ』(ファミ通文庫・現在4巻)
主人公は読書好きで落ちこぼれの少年軍人レジス。本で得た知識を元に軍略を動かす。
ヒロインのアルティーナは皇姫にして大剣を振り回す英傑。「武器をとって戦うお姫様」は永遠のロマンだと思う。
3巻では宮廷での陰謀戦が、4巻では全く別の主人公が別のヒロインを助ける話が展開されており、読者を飽きさせない。


『夜姫と亡国の六姫士』(ファミ通文庫・現在2巻)
異才・舞阪洸の戦記もの・その1。
主人公は大国に侵略され滅ぼされかけている国の王女バイオレッタ
バイオレッタの智略と彼女に侍る六姫士と呼ばれる将軍たちの力で王国復興を目指す。魔法要素あり。
女同士のサービスシーンがエロい……なんて気を抜いていると、1巻のラストで早くも最大級の驚きが待っている。


魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 (MF文庫J)

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 (MF文庫J)

魔弾の王と戦姫』(MF文庫J・現在7巻)
1巻から3年経っているので最近と呼ぶには少し抵抗があるが……。
主人公は弓矢が侮られている国において卓越した弓矢の能力を持つ若き地方領主ティグル。
隣国に7人いる戦姫のひとりエレンから捕虜とされ、自らの領地と民を守るために戦う。
それぞれが一騎当千の将である戦姫の力と、ティグルの智略及び弓矢の腕を用いて、寡兵で大軍を蹴散らす爽快感が魅力。


『落ちてきた龍王と滅びゆく魔女の国』(MF文庫J・現在4巻)
異才・舞阪洸の戦記もの・その2。
主人公は異世界へと召喚されてきた謎の男ナーガ。記憶を失っているがなぜか軍略に詳しい。
人間たちから追われて森の中で細々と滅びを待つ魔女たちをナーガが率い、十数人vs数百人-数千人という戦いに勝利していく。
ひとりずつ違う魔法(空を飛んだり、水を操ったり)を持つ魔女たちをどう動かして敵軍を撃退するかという戦いの描写は、本シリーズだけの楽しさかもしれない。


『天翔虎の軍師』(ファンタジア文庫・現在3巻)
主人公は王国を滅ぼされ、祖国復興の目的を秘めて仇である帝国の大軍師の元で学んだ軍師シエル。
ひと言で述べるなら軽めの三国志。都市を落としたり落とされたりしながら少しずつ版図を広げる様子、軍師や将軍の扱い、また論功行賞の場面などまさに三国志である。
最大のライバル軍師ユミカを筆頭に、主人公以外にも何人も軍師が出てくるのは大きな特徴といえる。


グランクレスト戦記』(ファンタジア文庫・現在1巻)
泣く子も黙る水野良の新作。たぶん伝説になるので今のうちに読んでおくと後々ドヤ顔できる。
主人公は女天才魔法師シルーカと放浪の騎士テオ。何もない状況から着実に、かつ一足飛びに成り上がっていく展開が気持ちいい。
カットできる場面をとことん切り落としているのでぐいぐいと物語が進む。1巻だけで3巻分くらいのエピソードが詰まっている気がする。


『ロムニア帝国興亡記』(ファンタジア文庫・現在1巻)
異才・舞阪洸の戦記もの・その3。なんと戦記ファンタジーを3作同時進行している。どういうことなの……。
主人公はうつけと呼ばれた皇子サイファカール。その才能を見抜いた父皇帝から辺境へと飛ばされ、物語が始まる。
作者によれば戦記であり歴史物。確かに後の時代から振り返って書かれたと思われるような描写がそこかしこに存在する。
舞阪さんの3シリーズに共通することだが、多くの女性キャラが将軍や側近として登場し、またサービスシーン(お色気シーンとでも呼ぶべき、少し古めかしい)も豊富である。


グラウスタンディア皇国物語』(HJ文庫・現在1巻)
主人公はかつて国を救った皇国七聖のひとりクロム。主である姫君ユースティナから呼び出され、再び戦いに身を投じる。
皇家の中ではあまり力を持たないユースティナの願いを、信頼する7人の英雄がこれから叶えていくのだという期待感に胸が踊る。
1巻から海戦で始まる作品は、今回紹介する中では唯一である。


『召喚主は家出猫』(スニーカー文庫・現在2巻)
ベテラン・鷹見一幸が初めて描くファンタジー。
主人公はサバイバル研究部の部長翔馬。2年前に失踪して魔法使いになっていた幼馴染みの瀬里奈から異世界へと召喚される。
地球での科学の知識やサバイバルの技術をファンタジー世界の魔法に応用し、敵軍を打倒していくのがユニーク。
(まだ1巻までしか読めていないのだが)ギャグ要素もあり、1巻時点ではわりと軽めに読めるかも。


『聖剣の姫と神盟騎士団』(スニーカー文庫・現在3巻)
主人公はお調子者の初級魔法士ダーク。生きるためなら嘘もつくし卑怯な手にも打って出る小物っぷりが新鮮。
7人の英雄たちのもとで谷を守っていた無敵の傭兵騎士団が崩壊、団長の娘フィーネがダークを部下として騎士団の復活を目指す物語。
他作品に比べ軍と軍の戦いは少ないが、小物ならではのせこい戦法で相手を出し抜くダークの独特な戦い方が面白い。


11作ほど紹介しましたが、私が読んでいない作品もまだゴロゴロ転がっていると思います。
百錬の覇王と聖約の戦乙女』(HJ文庫)は近々読む予定。来月刊の『ドラゴンフリート戦記』(HJ文庫)も気になりますね。
他に「これは!」という戦記ファンタジーがありましたら、ぜひ教えてください。