まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

放課後四重奏2

放課後四重奏 2 (GA文庫)

放課後四重奏 2 (GA文庫)

ストーリー
新学期、空上のいた水泳部の男子たちが会室にやって来る。
彼らは空上に振られても諦められない男たちだった。
そんな彼らを説得するため、空上は灰堂を彼氏だと言い出して……。



4人のヒロインと人間嫌いの朴訥少年が織りなすイチャコラ青春ラブコメ、今回のメインは空上さん。
1巻で峰がちょっとだけ抜けがけして一段落ついて、しばらくは硬直状態に陥るのかなと思いきやぐいぐい行きます肉食系。いいぞいいぞもっとやれ。
みんなそれなりに行動派だけれど、いざアクションを起こすとなるとやっぱり空上がひと足先になりますか。そうせざるを得ない状況があったとはいえ、チャンスを逃さないそのパワーには称賛を送りたいものです。もっとも、今回の場合はむしろ草ヶ部の策略勝ちと言えなくもないですが。


最初から最後まで一貫していたのは我らが灰堂さんの天然女たらしぶり。
自覚なし・恥じらいなしに歯の浮くような台詞を次々とぶつけていく灰堂さんが凄すぎてもはや笑いしか出てきません。ばかじゃないのもうこの人ばかじゃないの!(机をバンバン叩きながら)
ヒロインたちも悶えていますが、読んでいるこちらも悶えます。ニヤニヤが過ぎて頬が変形しそうなレベル。まさか全部計算でやってるわけじゃないですよねこれ。計算じゃないからタチが悪いんですけど。
まあそんな具合で、人間嫌いだのなんだのいいつつ女の子のハートをガンガン撃ちぬいていく灰堂さんですが、全然嫌味がなくて正直だからにくめないんですよね。まったくずるいキャラですわ。なんというか灰堂さんならモテてもしょうがないかなって思います。


そんな灰堂さんの標的になるのはもちろん、SL会の3人娘。お話のメインは空上ですが、菜花と草ヶ部のターンもばっちり用意してくれているのが嬉しいですね。
たこれが、三者三様で見事にみんな可愛いから困ってしまいます。一応私が応援しているのは菜花のはずなんですが、草ヶ部や空上とのデートの場面ではやっぱり魅力的で、なかなか絞りきれません。ヒロイン全員を同じくらい可愛く描くというのは相当たいへんなことなんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
空上は、恋愛強者のように振る舞っているけれど実は防御力が低くてチョロいところがいいですね。なんだこの可愛い生き物は。
というか、基本この作品のヒロインはことごとくチョロいんですけれども、空上は特に外面とのギャップもあるし、灰堂の猛烈な攻撃にやられてふと見せる素直な瞬間がたまらなく愛らしいと思います。
一方の菜花は表裏もなくて、常にチョロい感じ。まさに「小動物」という印象の、こう、(変な意味じゃなく)いじり倒したくなるような魅力が今回も存分に溢れてました。
今のところ、灰堂さんがいちばん意識しているように見えるのは彼女なんですよね。人と接することになれていなくて隠れている気持ちが読めないから、まっすぐに好意を向けてくる無邪気な子には弱いのかもしれません。今後が楽しみなところです。


さて、この引きからすると、次は草ヶ部回ということになるのでしょうか。お話がどんどん動いていくので油断できませんね。
3人娘に峰も追加して、旅行先でいったいどんな展開が待ち受けているのか、わくわくです。楽しみ!


「初めて下の名前で呼ぶイベント」は何度やってもよいもの。とてもよいもの。