まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

デスニードラウンド ラウンド1

デスニードラウンド ラウンド1 (オーバーラップ文庫)

デスニードラウンド ラウンド1 (オーバーラップ文庫)

ストーリー
多額の借金を背負う女子高生のユリが手を出したのは都市の暗部、危険な傭兵稼業だった。
合法・非合法を問わず仕事を請け負う「死に損ない」ばかりの松倉チームで仕事を始めるユリ。
しかし彼女が連れて行かれたのは、なぜか都内のバーガーショップで……。



アサウラ先生の新作ということで読んでみました。ジャンルとしてはガンアクションで、裏の世界に入り込んだ主人公の女子高生が、金のために銃器を手に血みどろの戦いへと挑んでいく物語です。
結構重めのお話ですし、命の奪い合いをシリアスに描いているので読み進めるのもなかなか辛かったのですが、まあそのあたりはいいとして、問題は敵のマスコットキャラクターですよ。表紙にもいるこいつなんですけどね。名前はロナウダっていうんですが。
詳しくは書きませんが、明らかにあの某有名キャラを意識して描かれています。そんなキャラが化物のように暴れまわって血しぶきをまき散らしていくんですね。
プラス面を描くならまだしも、明らかにダメな方向にパロディを持ってきているわけでして、いやこれ実際どうなんですか。大丈夫なの。ガチで訴えられるんじゃないの。少なくとも私は今後しばらく、ハンバーガーを食べるときに妙な気分に襲われそうですよ。
あとがきでは茶化して書かれてましたけど、ぶっちゃけ2巻が出なくても驚きません。それくらい危険な内容でした。色んな意味で怖い作品だな……。


ガンアクション。別に嫌いではないんですが、これだけ専門用語がガチャガチャ出てくるといちいち調べるのもめんどくさくて、どうでもよくなってくるっていうのが本音です。もともと好きな人ならいいんでしょうけど。
ただ、女子高生とリアルな銃器という組み合わせはとてもミスマッチで、だからこそ不思議な色気というか、魅力が生まれているように思います。
金がなくなったからという分かりやすい理由でこんな世界に飛び込んできたユリですが、いざ銃を握って現場に立ち会って自分の命を危険に晒しながらも人を撃つという段になって、さまざまな思いに囚われるのは当然というもの。
ただ流されるだけではすぐにやられてしまう。何のために戦うのか。何を目標に生き抜くのか。切羽詰まって追い詰められて、女子高生には重すぎる決断を迫られるユリの一挙手一投足から目が離せません。
ユリを取り囲む松倉チームの面々も面白い集団ですね。個人的には大島が好きです。なんか応援したくなってくる。
全員が何やら凄まじい過去を持っているようなので、そのあたりもこれからストーリーに関わってくるのかもしれません。
あと、チームの日常パートでちょいちょい挟まれるやたらうまそうな食べ物の描写はほんとどうにかしてもらいたいですね! 深夜に読めないじゃないですか!


読んでいて腹が減っては食欲をなくし、また腹が減り食欲をなくし……という地獄の連鎖。
壮絶なバトル描写にちょっとげっそり気味です。エピローグの後味もあんまりよくはありません。
しかし、どこか癖になって続きが気になってしまうこのジャンキーな食べごたえ。まるでハンバー……いや、やめておこう。


イラストは赤井てらさん。シリアスシーンに迫力があって良かったです。
特にラストバトルのロナウダは怖すぎ。夢に出そう。


ちょっとかき揚げ丼食べてくる。